“プランB”より柔軟な対応力。なによりも継続性。ザーゴ監督の求める戦い方で鹿島は連敗を止められるか

2021年04月07日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「プランBというのはあまり考えていません」

まずは自分たちのコンセプトを徹底し、状況に応じて対応を変える。「それはごく当たり前のこと」とザーゴ監督は語る。(C)KASHIMA ANTLERS

 鹿島アントラーズのザーゴ監督が目指すのは、ポゼッションで優位に立ち、試合のイニシアチブを取るサッカーだ。1-2で敗れた前節の浦和レッズ戦の試合後の会見でも、こう語っている。

「私が目指しているのは、ボールを握りながらゲームをコントロールすること。顔を動かし勇気を持ってボールをつなぐことを求めています」

 もっとも、自分たちのコンセプトを常に表現できるかと言えば、必ずしもそうとは限らない。相手の出方によっては、やりたいことをやらせてもらえない場合はある。その際の次善策でベストなやり方があるとすれば何か。4月6日のオンライン取材に応じたザーゴ監督に訊けば、「プランBというのはあまり考えていません」という。

「負けた試合でも、たいていはゲームコントロールできていて、圧力をかけることができていました。ただ上手くハマらない時は、ひとつの方法としては、下がってブロックを作って守り、そこからカウンターに移行する。それは試合の中で状況を見て、臨機応変に判断して実行していいと選手たちには伝えています」

 浦和戦では「それが上手くできていなかった」と振り返る。「プレッシングでも、お互いの距離感が遠く、コンパクトさが欠けていて、スペースを相手に使われ、ピンチや失点につながってしまった」と悔しがる。

 いずれにせよ、「自分たちのコンセプトをまずやり続けることが大切」とザーゴ監督は念を押す。思うようにいかない時間帯は、いったん引いて守り、機を見てカウンターを繰り出す。そうした柔軟性は、次節の柏レイソル戦でも求められるところだろう。
 
「相手がどういう配置、どういうフォーメーションで来るかによって対応しなくてはいけないし、その時の状況に応じて判断しなければなりません」

 現在チームは3連敗中だ。負のスパイラルから脱するためにも、是が非でも勝点3を掴みたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

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