インターナショナルウィーク前のまさかの黒星も、中断期間中のピッチ外の騒動も、デリケートな時期のダービーで勝てば、払拭できるかもしれなかった。だが、イタリア王者の苦境は続いている。

　セリエAが再開された４月３日、ユベントスはトリノとのダービーマッチで２-２と引き分けた。フェデリコ・キエーザのゴールで先制しながら、アントニオ・サナブリアに２ゴールを献上。得点王ランク首位に立つクリスチアーノ・ロナウドの同点弾で追いついたが、逆転には至らなかった。

【動画】信じられないミスで痛恨ドロー！トリノとのダービーマッチをプレイバック

　同日の試合でボローニャを下した首位インテルとは、残り10試合で12ポイント差と広がった。逆転優勝は厳しくなったとの見方が大半だ。むしろ、４位のユベントスはチャンピオンズ・リーグ（CL）出場権獲得も懸念されている。５位ナポリとは同ポイントで、６位ラツィオにも４差と迫られた。

　前節で昇格組ベネベントにホームでよもやの敗戦を喫したユーベは先日、ウェストン・マッケニーが自宅でパウロ・ディバラ、アルトゥールらと会食。新型コロナウイルスの感染拡大防止策に違反したことで大きく批判された。アンドレア・ピルロ監督は、３選手をダービーでメンバー外としている。
 

　ピルロの進退も騒がれる事態に、サポーターが失望しているのは言うまでもない。現地紙『Tuttosport』によると、SNSではクラブやピルロらに辛辣な言葉が寄せられた。

「ホラー映画みたいだ」
「CLに出られなければ、CLが悪夢になりようもないな」
「どうしてそうなったのか分からない４つのこと。木に登った車、テラスにいる馬、屋根の上にある車、そしてデヤン・クルセフスキのユベントス移籍」
「他チームのレベルを見れば特にそうだが、意識をしっかりし、おそらくは経験ある監督がいれば、このスカッドで穏やかに航海できるはずだ」
「マウリツィオ・サッリのユーベはビッグなチームだった。オレたちはそれを分かっていなかった。ピルロとスタッフ、フロント、選手の半分は出ていくべきだ」

『Tuttosport』によると、試合後にピルロは『Dazn』で「ミスが少し多すぎる。集中を欠いている。１秒たりとも集中を失ってはいけないと理解しなければ。間違えるたびに代償を払うんだ」と嘆いた。

「自分たちの今の状況を理解しなければいけない。改善すべきことがあるのは分かっている。落ち着きを得るには勝つ必要があるんだ。我々はシーズンに満足していない。ポイントを落としすぎている」

　９年に渡ってイタリア・サッカー界を支配してきた、ビアンコネロの今後が注目されている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部