苦しんだルーキーイヤーを経てプロ初ゴール!清水MF鈴木唯人は浮かれず「もっと認めてもらえるように」

2021年04月02日 小林健志

昨季はリーグ戦30試合に出場したもののゴールは生まれず……

ルヴァン杯仙台戦でプロ初ゴールを決めた鈴木。次はリーグ戦でのゴールを決めたい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 3月27日、ルヴァンカップ・グループステージ2節のベガルタ仙台対清水エスパルス戦は前半から一進一退の攻防が続いていた。勝負を決めたのは市立船橋高から清水に加入して2年目のMF鈴木唯人だった。

 0-0で後半の飲水タイムを終えたばかりの70分だった。62分から先発のFWディサロ燦シルヴァーノに代わってピッチに立った鈴木は、中盤でボールを奪うと前がかりになっていた仙台の隙を見逃さず、ゴールに向かってドリブルを仕掛けた。「ルーズボールを良いところに流せて、相手DFが1枚しかいなかったので、縦に長く出して自分で(シュートまで)やり切ろうと決めていました。最初はそのままゴールまで行けると思ったのですが、相手(仙台DFシマオ・マテ)が来て股が開くと思ったので、ちょっと遅らせて打ちました」と冷静にS・マテの股を抜いた技ありゴールを決めた。このプロ初ゴールが決勝点となり、清水を1-0の勝利に導いた。

 勝利のヒーローとなった鈴木だが、試合後の会見では高揚する様子も無く落ち着いていた。プロ初ゴールについて聞かれると「ようやく取れたという思いです。今までチームにたくさん迷惑をかけてきました。まだルヴァンで(1点)取っただけなので、リーグ戦で点を取って貢献したいです」と語った。それも無理は無い。ルーキーイヤーの昨季はJ1リーグ戦30試合に出場しながら、ゴールは0。将来への期待を込めて起用され続けたにもかかわらず、ゴールという結果が出ない苦しさを感じていた。そうしたこともあって、ゴール後のチームメイトの祝福に関しても「素直に嬉しかったのですが、自分は何回もチャンスを外してきました。もっと認めてもらえるように取り続けたいです」と語る。

 鈴木の気持ちはチームメイトも十分に分かっていた。DF立田悠悟は「鈴木にかける言葉は」との質問に対し、「彼も昨季は30試合出て1点も取れず、すごく悔しいシーズンになりました。まずはおめでとうと言いたいのですが、リーグでの出場機会を考えると、試合に出られていない現状があります。ここで満足せずに、どうやってここから先、点を取れるか考えてほしいですね」と現在の鈴木の状況を踏まえてエールを送った。
 

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