「得点王を目指して…」C大阪U-18から東福岡へ“移籍”したアタッカー大渕来珠は王座奪還の切り札となれるか

2021年04月01日 松尾祐希

「選手権に挑戦したいという想いが捨て切れず」3月7日に移籍を決断

東福岡でのデビュー戦でドリブルや正確なキックで攻撃に変化を付けた大渕。写真:松尾祐希

 高校サッカー選手権を最後に制してから6年。王座奪還を目指す東福岡高にセレッソ大阪U-18から頼もしいアタッカーが加わった。

 3月26日から28日にかけて開催された船橋招待U-18サッカー大会。全国の強豪チームが参戦したフェスティバルで、大渕来珠(3年)が"新天地デビュー"を果たした。

 最終日に行なわれた桐光学園戦(2-2)と東京ヴェルディユース戦(0-0)ではトップ下でプレー。3月21日に合流したばかりで仲間の特徴を探っている段階だったが、得意のドリブルや正確なキックで攻撃に変化を付けた。セットプレーではキッカーを任され、利き足ではない左足でも良質なボールを仲間に供給。特に東京Vユース戦では抜群の攻撃センスを発揮し、新たなチームで上々のパフォーマンスを発揮した。
 
「セレッソでも同じように決定力が課題になった。1得点も決められず、自分としてもチームとしても課題になった。この6試合は全て引き分け。良いチームと戦い、自分たちも弱くないと思っているけど、自分の得点で勝たせることができなかった。なので、プレミアリーグや冬の選手権までに決定力を高め、自分の存在を示していきたい」

 大渕は試合後に反省の弁を述べたが、「自分の形であるドリブル突破や両足でのシュートをヴェルディ戦では出せたと思う」と手応えを掴んだのも事実。個の力はチーム屈指で、キャプテンの段上直樹(3年)も「攻撃のバリエーションが増えた。良い意味で個の力がある選手が入ってくれたのは、チーム力が上がるきっかけになる」と期待感を口にする。決定力に課題を抱える東福岡で、攻撃の切り札になる可能性を示したのは間違いないだろう。

 昨季はC大阪U-18でプレーし、U-23チームの一員としてJ3にも1試合出場した大渕。何故、東福岡に活躍の場を求めたのか。そこには選手権への憧れがあったという。

「小学3年生から中学2年生まで鳥栖のアカデミーでプレーしていました。ただ、進学先の選択肢を広げたかったので、中学3年時はプレジャーSCでのプレーを選びました。その中で、東福岡で選手権に出てみたいという思いもあったのですが、1番の目標であるプロサッカー選手への道を考えた時にJ3で出場できる可能性もあったセレッソを選びました。でも、高校最後の1年は選手権に挑戦したいという想いを捨て切れず、3月7日に移籍の決断をしました」
 

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