「満足いくパフォーマンスはしていない」中盤で圧倒的な存在感を放つも、田中碧が語った焦燥感

2021年03月30日 サッカーダイジェスト編集部

「やっぱり自分自身、常に上を目指していますし…」

ボランチで存在感を放った田中。勝利に貢献した。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 U-24日本代表は3月29日、U-24アルゼンチンと対戦。3-0で勝利を収め、0-1で敗れた第1戦(26日開催)の借りを返した。

 この試合で2得点の板倉滉と並ぶくらい、圧倒的な存在感を放ったのがボランチの田中碧だった。

 昨年1月のU-23アジア選手権・カタール戦での一発退場により、今回の1戦目は出場停止となっていたため、この2戦目には期する想いがあったに違いない。

「2試合あるなかで僕自身は1試合しか出られない状況で呼んでもらいましたし、自分はこの試合のために準備していたので、やっぱりそれだけのことをしないといけないなと思っていました。2試合目が始まる前に僕自身にもすごくプレッシャーをかけていました。

 楽しみながらできた。満足いくパフォーマンスはしていないですけど、ただ最低限の結果というか。僕自身は数字を残してないですけど、チームが勝つことが自分のアピールになるので、結果は少なからずもたらすことはできたんじゃないかなと思います」

 本人は「満足いくパフォーマンスではない」というが、その出来は素晴らしかった。長短のパスで攻撃陣を操れば、出足の素早い寄せでピンチの芽を次々に刈り取っていったのである。
 さらに、しきりに周囲に声をかけながら、ゲームを動かしていたのも印象的だった。

「敵の攻撃もそんなに形があるわけじゃなかったので、自分が中央に立っているなかで、最近は上から見ている感覚じゃないですけど、どうすればハマるかなというのは、ある程度頭の中では計算というかイメージできるようにはなってきてはいた。

 それを少しいろんな選手に伝えることで、自分自身もやりやすいですし、チームも良い方向にいくのかなと。自分がプレーに関与することもそうですし、声で味方を動かしてゲームを作るということも大事なので、それが少しはできたのかなと思います」

 田中は試合後、そう手応えを語っている。

 それでも満足できないのは、より高みを目指しているからだ。

「やっぱり自分自身、常に上を目指していますし、もちろん、この試合で勝つことが目標でしたけど、ただやっぱり自分自身がより成長するためにやっているのもあるので。相手には今A代表でプレーしている選手もいますし、そこに割って入っていかないといけないと思っている。

 海外で常にバチバチやっている選手もいるなかで自分は国内でやっているのもあるので、そこの差はいち早く埋めないといけない部分はあるので、そういう意味では今日存在感を出さないといけなかったなと思います」

 周囲との経験値の差を感じ、それをいち早く埋めようという焦燥感。それが田中を突き動かしているのである。

構成●サッカーダイジェスト編集部

【PHOTO】U-24日本3-0U-24アルゼンチン|林と板倉のゴールで見事にリベンジ!今後の自信へと繋がる勝利に!
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