「日本で最も忘れられない経験をした」イタリア審判協会会長、Jリーグで笛を吹いた過去を回想

2021年03月21日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「2年以内には可能だと思いたい」と語った“夢”は?

イタリア・サッカー界における、審判を巡る改善点に言及したトレンタランジェ氏。(C)Getty Images

 結果を重視する傾向が強いイタリア・サッカー界では、審判の重圧も大きい。メディアは判定を細かく分析し、それを受けてサポーターも審判を批評する。そんなイタリア出身の審判は、日本での経験をどう感じたのだろうか。

『TUTTOmercatoWEB』のインタビューで話してくれたのが、2月にイタリア審判協会の会長に就任したアルフレード・トレンタランジェ氏だ。かつて、Jリーグ初期の日本で笛を吹いた経験を持つ。

 日本では審判団に対する敬意が強いか問われると、トレンタランジェ氏は「人生で最も忘れられない経験のひとつだった」と答えている。

「スタジアムは母親や子どもたちでいっぱいだった。サッカー界が日本人をこのスポーツのファンにしようと望んでいたからだ。素晴らしいポジティブさの模範だった。今は少し変わったと思うがね」

 かつてはウルトラスと呼ばれる熱狂的サポーターの一部が暴徒化することもあったイタリア・サッカー界だけに、プロリーグ創設当初から安全にスタジアムで試合を観戦する環境にあった日本での経験は、同氏にとって新鮮だったようだ。
 
 そのうえで彼は、「我々はコミュニケーションを変えようとしなければいけない」と、イタリア・サッカー界における審判を巡る改善点にも言及している。

「それぞれが自分だけで問題を解決しようと考えるのは強欲だ。個からチームプレーにならないと」

 審判の世界も進化している。遅まきながら女性審判が登場してきたのもそのひとつだ。トレンタランジェ氏はセリエAでの女性主審誕生は「夢だ」とし、「本当にあとわずかだと、2年以内には可能だと思いたい」と、見解を示した。

 サッカーに欠かせない要素のひとつである審判たちも、常にサッカーの向上のために何ができるかを考えている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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