「太ももから血が流れていたのに」長谷部誠が負傷もノーファウル。ウニオン戦の不可解なジャッジをOBが猛批判!

2021年03月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「主審とVAR担当は何を見ていたのか分からない」

3バックの中央で先発した長谷部。2失点を喫したが、現地では及第点の評価が与えられている。(C)Getty Images

 現地時間3月20日に行なわれたブンデスリーガ第26節で、長谷部誠と鎌田大地を擁するフランクフルトは、遠藤渓太が所属するウニオン・ベルリンをホームに迎えた。試合は5-2でフランクフルトが勝利を収めている。

 長谷部は3バック中央、鎌田はトップ下で先発出場し、後者は1アシストを記録。遠藤渓太は途中出場したこの試合でのあるシーンに議論が噴出している。

 2分にアンドレ・シウバのゴールで先制したフランクフルトだが、7分にマックス・クルゼに1点を返されてしまう。だが、このゴールには多くの疑問が渦巻いているようだ。

 独紙『BILD』に寄稿した、ブンデスリーガの元レフェリーのトルステン・キンフェーファー氏は、「私には、ウニオンの1点目がなぜカウントされたのか理解できない」と主審の判断を批判している。

 該当のシーンはこうだ。ウニオンが攻め込む場面で、MFユリアン・ライアーソンが味方からのパスに反応し、左サイドから抜け出す。これにエリア内で対峙したのが長谷部だった。

 ボールをコントロールしようとライアーソンは懸命に足を伸ばし、長谷部と交錯。この後、37歳のベテランは足を抑えて倒れ込むが、プレーは続行され、折り返したボールをクルゼがワンタッチで蹴り込んだ。
 
 だが、交錯した際にライアーソンの足裏が長谷部の太ももに入っており、スパイクで蹴りつけられた大腿部からは流血が認められた。主審も腫れあがっている様子を確認し、フランクフルトの選手たちは「ファウルだ」と猛アピール。だが、長谷部が治療を受けている間、主審がVAR担当者と何事か話し合う様子が見られたものの、モニターを確認しようとはせず、ゴールが認められた。

 キンフェーファー氏は「確かに、サッカー選手は俳優だ」と前置きしつつも、「痛みでフィールドに横たわっていた長谷部選手の太ももの傷は流血しており、正しい結論を導く十分な手がかりだった」と綴っている。

「ライアーソンの侵入は明らかにファウルであり、ゴールはカウントされるべきではなかった。マーカス・シュミット主審がフィールドにいて、VAR担当のギュンター・パールがモニターを見ていたのに、彼らは何を見ていたのか、私には分からない。

 確かに、レフェリーはすべてを見ることはできない。だからこそ、正しい判断を下すために、あらゆるチャンスや手がかりを使って情報を得なければならないのだ」

 そして、改めてVARの運用について苦言を呈している。

「ビデオの証拠があっても、エラーは起こり得る。ただ、これは修正されるべきだった」

 VARはあくまで判断材料のひとつに過ぎない。使う側はあくまで人間であり、今後もこうした問題は引き続き議論を呼びそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【写真】スパイクの跡がくっきりと……長谷部の太ももから流血している様子はこちら

次ページ【写真】スパイクの跡がくっきりと……長谷部の太ももから流血している様子はこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事