VARについて「感じていることは2つ」。福岡の長谷部監督は“正しい判断”を歓迎。もうひとつは?

2021年03月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「自分たちは良い状態で再開を迎えることが大事」

今季、再導入されたVAR。開幕から約1か月で、話題になることは少なくない。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 アビスパ福岡は前節の鹿島アントラーズ戦で1-0の勝利を収め、今季初の連勝を飾った。スコアレスで迎えた85分、エミル・サロモンソンのクロスを、山岸祐也が胸で落とす。そのボールを金森健志が左足でダイレクトで叩き、鮮やかな一撃を突き刺した。

 だが、アディショナルタイムに右サイドから崩され、最後は鹿島の犬飼智也にシュートを決められる。同点かと思われたが、シュートに至る前のプレーがVARチェックの対象に。主審がオンフィールドレビューを実施し、鹿島側の選手がE・サロモンソンを倒したプレーがファウルと判定され、犬飼の得点にはならず。そして福岡は虎の子の1点を守り切り、勝点3を手にした。

 福岡は鹿島戦の前の徳島ヴォルティス戦でもVARの介入を経験しているが、こうした点を踏まえ、鹿島戦翌日のオンライン取材で報道陣からVARについての所感を問われた長谷部茂利監督は、「私が感じていることは2つあります」として、次のように述べた。

「ひとつは、正しく判断していただいていること。昨日を振り返って、エミルが先に触って、後ろからの危険なスライディングのファウルだったわけですよね。映像を見て、正しく判断してもらって、取り返しがつかないことにならなかった。それはいいことだと思いますし、これからも続けてもらいたいです」

 そしてもうひとつは、その"正しい判断"が下されるまでの時間について、長谷部監督は思うところがあるという。
「あの待ち時間ですね。コンディションがちょっと落ちるし、心肺機能が落ちるなどで、怪我につながりやすくなる。当然、集中力も途切れる。そういったなかで、自分たちは良い状態で再開を迎えることが大事だと思います。そのへんが少し難しいですね」

 間違いのないジャッジは歓迎だが、それを待つ間の時間は選手たちに良い影響を及ぼさないかもしれない。注目度の高いVARは、痛し痒し、といったところか。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

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