「大胆な試みだったが…」“普段と異なる”起用で奮闘したフランクフルト鎌田大地、長谷部誠の現地評価は?

2021年03月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

RBライプツィヒとのアウェー戦はドローに終わる

腰痛で欠場していた前節から復帰し、右サイドで守備的なタスクを課せられた鎌田。 (C)Getty Images

 現地時間3月14日、ブンデスリーガ第25節が行なわれ、長谷部誠と鎌田大地が所属するフランクフルトは、アウェーでリーグ2位のRBライプツィヒと対戦し、1-1のドローに終わっている。

 攻撃能力の高いアタッカーを擁するチームとの対峙に、フランクフルトは主力であるCBマルティン・ヒンターエッガーの負傷で、通常の3-4-2-1ではなく、3-5-1-1の布陣でスタート。アディ・ヒュッター監督は3バックの中央にシュテファン・イルザンカーを置き、その前にボランチ3枚を配置。中央には、このところダブルボランチの一角を務めていた長谷部誠が陣取った。また、鎌田は主戦場の2シャドーの一角ではなく、右ウイングバックの位置で先発。普段よりも守備的なタスクの負荷が高いポジションを任された。

 フランクフルトは試合開始から敵チームの激しいプレスに苦しみ、46分にはエミル・フォシュベリに先制点を許した。だが、61分に鎌田が同点ゴールを叩き込んでドローに持ち込むと、勝点1ポイントをもぎ取っている。

 現地紙『Frankfurter Rundschau』は、長谷部を5段階中の3番目に該当する「まあまあ」と評価。「いつもよりも守備的な役割を与えられ、DFの前にオーガナイザーとして配置された。背後には安定的な気配りができていたが、ビルドアップに関与することが難しかった」と寸評が添えられている。

 また、同紙は同点ゴールの鎌田にも「まあまあ」を与えた。
 
「右サイドで守備的なプレーヤーを装っていたが、もちろんそれは彼にそぐわない役割だった。39分にはボールが彼のスパイクを滑って貴重なチャンスを逃している。61分のシュートも完全にはボールに当たらなかったが、ネットを揺らすのには十分。このゴールはチームと彼を後押ししたが、負傷交代という結果になった」

 ちなみに、ヒュッター監督は試合後の会見で、鎌田の起用について「エリック・ドゥルムが負傷し、右ウイングの選手がほとんどいなかったから」と説明。苦しいチーム事情を明かしたうえで、「大胆な試みだったが、まったく機能しないこともあった。でもそれは鎌田大地のせいではなく、私のせいだ」と24歳の日本人MFを擁護したようだ。

 とはいえ、首位バイエルンを追うRBライプツィヒとアウェーで引き分けに持ち込んだ結果については、現地メディア『BESOCCER』が「フランクフルトが優勝を目指すチームの希望を蹴り飛ばした」と称えるなど、小さくない成果であることは間違いない。

 チームは来シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)出場圏内の4位を維持。3位ヴォルフスブルクとは4ポイント差、5位ドルトムントとは2ポイント差で、次節は遠藤渓太を擁するウニオン・ベルリンと対戦する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】鎌田が難敵RBライプツィヒを相手に奪った同点ゴールはこちら!

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