クラブワーストのホーム6連敗、クロップ・リバプールの大スランプに英紙がドルトムント時代を回想。「またしても…」

2021年03月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「今の状態はどん底か?」と聞かれ…

リバプールは苦しい状況が続いている。クロップ監督はこの窮地を脱することができるか。(C) Getty Images

 歴史は繰り返すのか――。

 英紙『Daily Mail』では「またしても陥ってしまった」と見出しを打ち、現在のリバプールと、かつてのドルトムントを比較している。共通するのは指揮官がユルゲン・クロップで、栄華は決して長続きしなかった点だ。

 今シーズンのリバプールは序盤こそ順調に勝ち星を積み重ね、王者の風格を漂わせていたものの、12月下旬辺りから勝ち星から見放されるようになると、1月以降は公式戦15試合で9敗と事態はより深刻化。およそ4年間に渡り続けてきたホーム無敗記録も68でストップしたかと思えば一転、クラブワーストのホーム6連敗と、記録は全くの別物となっている。

 直近のフルアム戦(0-1●)後に、「今の状態はどん底か?」と聞かれた指揮官は、「ノーと言いたいところだが、そうだ」と答えたように、チームはまさに泥沼の状態だ。
 
 そこで思い出されるのが、クロップがリバプールを率いる前に監督を務めていたドルトムントだ。2010-11シーズン、ロベルト・レバンドフスキや香川真司ら多くのヤングタレントを擁したチームは、ブンデスリーガを席巻。9シーズンぶりのリーグ制覇を成し遂げた。翌年もその勢いは持続し、見事2連覇を達成。DFBポカール決勝でも"宿敵"バイエルン・ミュンヘンを5-2で粉砕した。

 その強さは本物で、当時のクロップ監督は「これ以上のプレーはできない」と答えたほどだった。しかし王座防衛はそう容易くなく、2012-13、2013-14シーズンは2位にこそ入るも、優勝したバイエルンとはそれぞれ勝点25差、同19差と大きく水を開けられた。そして、凋落が決定的となったのが翌2014-15シーズンだ。

 エースのレバンドフスキは移籍し、直前のブラジル・ワールドカップにより選手は疲弊したうえに、他チームに戦術を研究し尽くされたチームは一時最下位に沈むなど、極度の不振にあえぐ。それでも最後の6試合で勝点13を確保するなど、なんとか巻き返し、最終的には7位でフィニッシュしたが、結局クロップ監督はこの年をもって7シーズン指揮を執ったドルトムントを離れている。

 リーグもチームも違うとはいえ、どうしても重ねてしまう2つの"転落"。周囲の雑音を跳ね除けるためにも、まずは不名誉な記録に終止符を打ちたい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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