【福岡】「“色”が濃くなってきた」攻撃は大きな強み。横浜戦のカギは最初の45分間

2021年03月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

志知孝明は繰り返す。「前半は無失点で」と。

3月10日のリーグ3節はホームに横浜を迎える。本拠地ベススタに足を運ぶサポーターの前で今季初勝利を掴みたい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 リーグ戦2試合、ルヴァンカップ1試合を終えての戦績は1分2敗。昇格組のアビスパ福岡は、公式戦3試合を終えて、いまだ白星を挙げられていない。

 リーグ戦の名古屋との開幕戦は1-2、続く清水戦は2-2。札幌とのルヴァンカップ初戦は2-3と、計3試合で7失点。守備面に問題があるのは明らかだ。

 いかに失点を減らすかは喫緊の課題。いずれの試合でも前半の早い時間帯に先制を許し、ミス絡みの失点も散見されるが、石津大介は次のように解決策を考えている。

「最後のところでもっと身体を投げ出したり、キーパーとディフェンスの関係、コミュニケーションを改善できれば、失点は必ず減る。些細なところではあると思いますけど、そこを修正できれば」

 また長谷部茂利監督は「個人で負けないこと。組織をしっかり構築すること」を重視したうえで、「ただ失点につながる部分は一瞬なので。相手の攻撃を抑えるという意味では、一瞬の隙を与えないことが特に大事」と強調する。

 ディテールにこだわり、集中を切らさずに守る。ある意味、当たり前のことを当たり前にこなせば、守備の強度はさらに上がっていくはずだ。

 守備面に不安を抱えてはいる一方で、攻撃面はそこまで悪くない。なによりも点が取れている。計3試合で5ゴールを記録。無得点試合はなく、1試合平均1・7得点という数字は及第点だろう。

 指揮官も少なからず好感触を得ているのではないだろうか。

「積み重ねですね。私が来てから1年少しでしょうか。コーチ中心に攻撃のところを作ってきて、そこに新たに選手が入って、"色"が出るようになってきた。以前はちょっと薄くて、白に近い色でしたが、チームとしてその色が濃くなってきていると感じています」
 名古屋戦は相手のオウンゴールによる得点だったが、2得点の札幌戦ではセットプレーのチャンスに三國ケネディエブスがヘッドで合わせ、湯澤聖人のクロスに城後寿が飛び込んだ。同じく2得点の清水戦では、エミル・サロモンソンのクロスから山岸祐也が右足を振り抜き、そのE・サロモンソンが直接FKをねじ込んだ。

 スコアラーと得点パターンは"多彩"で、選手たちも自信を深めているに違いない。

 勝利には絶対条件となるゴールが奪えているのは大きな強みだ。だからこそ、失点を減らしたい。リーグ戦での次の対戦相手は、攻撃"超"特化型の横浜F・マリノス。一昨年のJ1王者で、ゼロで抑えるのは難しい相手だが、それでも粘り強く守りながら、横浜が焦れて攻めあぐねるような展開に持ち込めれば、チャンスはあるはず。

 志知孝明は繰り返す。「前半は無失点で」と。次節の横浜戦は、最初の45分間が勝負のカギを握りそうだ。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

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