「『お前はサッカー選手になれないよ』と…」磐田・ルキアンが明かす貧しかった幼少期。“ストイックな姿勢”の原動力は?

2021年03月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

「“自分を信じること”と“家族”が一番の原動力」

磐田、ルキアンが幼少期のエピソードを明かした。写真:徳原隆元

 FC琉球との開幕戦で怪我からの復帰を果たしたジュビロ磐田のFWルキアンが、日本でのサッカーに懸ける思いを語った。

 昨シーズンはチームトップの10ゴールを挙げる活躍を見せていたブラジル人ストライカーだが、昨年の11月に頚椎椎間板ヘルニアの診断が下され、戦線離脱を余儀なくされた。当初の予定では今季の開幕に間に合わない予定であったが、2月28日に行なわれたFC琉球とのシーズン初戦に後半から出場。ポストプレーや、自ら積極的にシュートを放つなど、攻撃を活性化させた。

「怪我から戻ってきての1試合目として、個人的にはすごく満足しています。もともと怪我が治る予定はもっと遅いはずだったのですが、それより早く戻ってきて開幕に間に合ったことが何よりも良かった。もちろんチームの勝利に繋がる得点を取りたかったですが、まず45分間出られたことに、個人的には非常に満足しています」

 昨年、怪我が判明したあとのオフシーズンは、母国ブラジルに帰り治療に専念。本来、母国に帰国したブラジル人選手は友人や親戚とのバカンスを楽しむことが多いのだが、ルキアンは「そういうのは一切なしにして、トレーニングに集中しました」と、毎日3部練習を実施していたという。妻からも「少しは休んだら?」と言われるほどだった過酷なトレーニングの成果が、早期復帰に繋がったのだった。
 
 また、こうしたストイックな姿勢は、幼少期の環境がもたらしたという。

「私は小さい頃、貧しいところで生まれて、何かが欲しければ自分で勝ち取らなければいけなかった。サッカー選手になりたいと思っても、『お前にはなれないよ』と言われたりもしました。ですが、そう言われるたびに、『自分には出来る』と小さい頃から自分を信じてきました。また、いまは家族、子どももいるので、自分が貧しかった頃のような思いを子どもにさせたくない。その、"自分を信じること"と"家族"が一番の原動力になっています」

 今シーズンの個人の目標は、「去年の10ゴールを上回る得点を取ること」。自分、そしてなにより家族の生活のため、ルキアンは全力で走り切る覚悟だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【ジュビロ磐田PHOTO】ミスタージュビロの中山氏がコーチに就任。選手たちは練習初日から溌剌とした動きを披露
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事