54歳のカズはボールをもらえなくても「前向きになれる」。その理由とは?

2021年02月26日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「良いパフォーマンスを出せるように努力していきます」

練習試合では決定的な場面に顔を出し、惜しいシュートも。開幕に向けてコンディションは良好だ。(C)YOKOHAMA FC

 2021年シーズンの開幕に向け、コンディションは良好だ。オンラインで行なわれた自身の54回目の誕生日イベントで、三浦知良は「ここまでは順調に来ている」と手応えを語る。

 プレシーズンのトレーニングマッチでは無念のノーゴール。ただ納得のいくプレーもあった。何度か決定的な場面に顔を出し、「ゴールを取りたいという気持ちが強すぎて、ちょっと硬くなって、何本か外してしまった」こともあったが、フィニッシュに絡むシーンは増え、「味方とも良い距離感でプレーできるようになってきた」。

 試合後には自らのプレーを入念にチェック。「良いシーン、悪いシーンを10個ぐらい集めてもらって、コーチからマンツーマンで指導を受けて、意見をもらっている」。自分の中では良くなかったと思うプレーでも、評価されたりもした。

「ブラジル時代からそうですけど、ボールを持ってドリブルした時に良い感触を掴める選手だと思ってやってきました。いかにたくさんボールに触れたかをすごく気にしていたけど、コーチからは、ボールを持っていない時、いわゆるオフ・ザ・ボールの動き、そのポジショニングで、動きすぎていないところがいい、と。

 ボールはもらえていないんですけど、自分のこの動きによって、こっちでこういう現象が起きているから全然いいんだって。そういう場面を分かりやすく説明してくれて、確認できるので、非常に勉強になりますし、助かっています」
 もちろん、ゴールには強いこだわりを持っている。FWであるならば得点やアシスト、ドリブルで相手を剥がすといったプレーが評価に直結することは理解しているが、オフ・ザ・ボールの動きが効果的で、その頻度が上がっているなら「前向きになれる」。

「開幕に向けて良い準備ができていますし、コンディションも良いと思います。それが良いパフォーマンスにつながっていくかは、味方との関係もありますし、試合の状況によってもだいぶ変わってきますが、良いパフォーマンスを出せるように努力していきます」

 54歳のキングは今もなお、貪欲に進化しようとしている。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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