前代未聞の危機!? 中国の前年度覇者・江蘇FCが80億円の債務が原因で解散か「我々のサッカー界へのダメージは…」

2021年02月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「解散という結果も排除できない…」

親会社の資金力を頼りに強化を図ってきた江蘇FC。だが、黄金期も終焉を迎えようとしている。 (C) Getty Images

 中国スーパーリーグ王者が危機的状況に瀕している。

 現地時間2月23日、中国メディア『新浪体育』は2020年シーズンの中国スーパーリーグ覇者である江蘇FC(※21年に江蘇蘇寧から改名)が「5億元(約80億円)の債務を理由に解散する可能性が高い」と大々的に報じた。

 2015年に家電販売チェーン大手の『蘇寧電器』が買収して以来、江蘇FCは巨額投資を惜しまない補強戦略で強化を続けてきた。ブラジル代表のラミレス(現・無所属)やミランダ、アレックス・テイシェイラ、元イタリア代表FWのエデルなど、多くの実力派たちをヨーロッパから引き抜き、着実にチーム力を高めることに成功。昨シーズンには広州恒大とのデッドヒート制して、クラブ史上初めてのリーグタイトルを奪取した。

 そんな王者に前代未聞となる解散の可能性が浮上したのだ。『新浪体育』によれば、親会社である「蘇寧グループ」がクラブの売却を模索中で、いまだ新戦力獲得の目途も経っていないという。

 同グループは売却の条件として「5億元の債務負担」を提示しており、もしも、肩代わりできる企業が見つけられない場合、「解散という結果も排除はできない」という。『新浪体育』は次のようにレポートしている。

【動画】3年前にガンバ大阪に猛威を振るった江蘇蘇寧のプレーハイライトはこちら
「江蘇FCは昨シーズンの優勝以来、絶え間ない混乱に直面し続けている。主力だったテイシェイラとの契約は失効され、彼は逃げ道を探している。それ以外にもオラロイ監督や助っ人のサンティニも契約を破棄。まだ契約下にあるエデルとミランダ、ワカソといった選手たちも給与の滞納を理由に退団するのは時間の問題だ。

 蘇寧グループは旧正月の初営業日に、21年の業務の焦点を国内の小売業に当てることを明言。この事業の縮小決定は江蘇FCにとって良くないことを意味している。同グループは15年の買収以来、1年平均で10億元(約160億円)を費やしてきたが、そのせいで明らかな財政難に陥っている。いずれにしても、彼らにあまり多くの時間は残されておらず、我々のサッカーに対するダメージは計り知れない」

 現在、無期限の活動停止中だという江蘇FCは、活動再開の目途はたっておらず、参戦予定となっているAFCアジア・チャンピオンズリーグも解散となれば、棄権するしかなくなるが……。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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