2試合連続スタメンの大迫勇也。評価上昇の理由とプレーヤーとしてのスタンス

2015年04月19日 山口裕平

チーム得点王がベンチに下がっても、大迫はピッチに立ち続けた。

2試合連続のスタメンとなった大迫はゴールに絡めなかったが、フル出場を果たした。(C) Getty Images

 ケルンの大迫勇也がアウェーで行なわれたヘルタ・ベルリン戦の先発メンバーに名を連ね、今季23試合目の出場を果たした。これで大迫は前節に続き2試合連続の先発出場。自身はシュートを放てず試合もスコアレスドローに終わったが、調子自体は上がっているようだ。
 
 6試合ぶりの先発となった前節のホッフェンハイム戦では、先制点につながるPKを獲得し、チームの2点目もアシストして勝利に貢献。それ以外にも攻撃を活性化させたプレーは高い評価を受け、FWでありながらゴールを決めていないにもかかわらず、独誌『キッカー』からはマン・オブ・ザ・マッチ、さらにベスト11にも選出された。
 
 その活躍が評価され、今節のヘルタ戦でも試合開始と試合終了のホイッスルをどちらもピッチで聞くことになった。しかし、「守備の時間が長くなってしまった」と大迫が語ったように、ケルンはなかなか守備から攻撃に転じることができず、自身もまたチャンスに絡めなかった。
 
「今日はボールに触る回数が少なかったんで、それを増やすことが今は課題かなと思います」と、大迫は自らのプレーを振り返っている。
 
 ただ、精力的にピッチを動き回り、FWながらチーム2位となる走行距離を記録している。チーム最多得点を決めているウジャが交代でベンチに下がりながらも大迫がピッチに残ったことは、シュテーガー監督からの評価の高まっていることを窺わせる。
 
 今季ケルンに加入した大迫は順調なスタートを切った。開幕戦でスタメン入りすると、以降5試合は代表戦直後の1試合を除きすべて先発出場。2試合目にはブンデス1部での初得点を挙げるなど幸先の良いスタートを切っていた。
 
 しかし、6節・バイエルン戦で突如メンバー外になると、それ以後は十分な出場機会を得られず、アジアカップのメンバーからも漏れることになった。
 
 シュテーガー監督は前半戦終了後、「彼のパフォーマンスの妨げになっていたのは単純に身体面の準備不足だ」とその原因を大迫のコンディションに求めている。このオーストリア人指揮官はチームに激しい競争を求め、前の試合で活躍した選手でさえ、コンディションが整わなければ先発から外すこともあるほど調子の良さを重視する。
 
 ブラジル・ワールドカップに出場しチームへの合流が遅れた大迫は、十分な準備ができないまま開幕を迎えることになった。開幕直後こそ良かったものの、結局その後はフォームを崩してしまった。
 
 冬季中断期間はアジアカップに参加せず、チームでの戦いに専念できることを監督は歓迎し、「彼は秋よりも身体面で良くなっていると確信している」と後半戦へ向けてコンディションが上がりつつある大迫への期待も高まっていた。ただ、「身体面が良くなったからといって、スタメンの保証があるわけではない」と付け加えることも忘れなかった。

 そして、後半戦が始まっても大迫は先発に定着できなかった。冬の補強で加入したFWダイバーソンが結果を残し、ウジャとともに2トップを務めることになったのだ。大迫は後半途中からピッチに入る試合が続いた。

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