「本当にがっかりした」リバプールの“象徴”ジェラードがF・トーレスの電撃退団を回想「最高の日々だったのに…」

2021年02月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「残留してほしいと…」

リバプール史に残る名コンビとしてアンフィールドを熱狂させたのが、トーレス(左)とジェラード(右)だった。 (C) Getty Images

 元スペイン代表FWのフェルナンド・トーレスは、かつてアンフィールドを大いに賑わせたストライカーだった。

 一昨年の夏にJ1のサガン鳥栖で現役生活に幕を下ろしたF・トーレス。彼の偉大なるキャリアで最盛期と言えたのは、2007年の夏から3年半に渡って在籍したリバプール時代だろう。

 下部組織時代から在籍してきたアトレティコ・マドリーを離れ、鳴り物入りでレッズに入団したストライカーは、1年目からプレミアリーグで24ゴールを叩き出すなど千両役者ぶりを発揮。完全にイングランドの水に馴染んだ2年目もチームが"宿敵"マンチェスター・ユナイテッドとのタイトルレースを演じるなかで奮闘し、貴重な得点源として絶大な存在感を放った。

 だが、加入4シーズン目の2011年1月に、自信を信頼していないフロントへの不信感もあり、チェルシーへ移籍したのである。この世界に衝撃をもたらした去就は、後のインタビューで本人が「当時のリバプールのオーナーは嘘が多かった」と告白したことでも小さくない物議を醸した。

 ショッキングな形でリバプールを去ったストライカーへ並々ならぬ想いを告白する人物がいる。元イングランド代表MFのスティーブン・ジェラードだ。
 
 当時のリバプールでキャプテンを務め、クラブのアイコンとして君臨していたジェラードは、現地時間2月16日に公開された元イングランド代表FWロビー・ファウラーのポッドキャスト番組で、名コンビとして鳴らした"相棒"について「彼との日々は最高だった」と振り替えった。

「フェルナンドと長くできなかったのは本当に残念だったし、チェルシーに移籍したことを聞いた時は心から打ちのめされたよ。最高の日々だったから、本当にがっかりしたんだ。当時のリバプールは大きな進歩を遂げ、全てが順調に進んでいると感じられていたからね。誰が相手だろうと『問題ない。倒せるさ』と思えるぐらいにね。

 だけど、僕らのグループにとって本当に重要な時期にビッグプレーヤーがいなくなって、そこからもう一度、立て直すための時間がかかることになった。トーレスとの連係で当時は多くのゴールを奪っていたし、僕自身も全盛期と言えるぐらいに良かったから、『完璧じゃないか』と日々思っていた」

 さらに「でも、人には夢やそれぞれの道がある」とつぶやいたジェラードは、チェルシー移籍直前にF・トーレスの決意を変えさせようと奔走したことも口にした。

「誰かが去るのは常に辛いけど、あの時の彼が出ていくことは何よりも厳しかった。だから、僕はフェルナンドと彼の代理人に『残留してほしい』と言ったんだ。決断を変えさせようとしたんだよ。でも、何も変えられなかった。どうしようもできなかったんだ」

 現役引退会見で"最も印象に残っているチームメイト"として「自分を成長させてくれた」とジェラードを真っ先に上げていたF・トーレス。そんな尊敬する"盟友"からの言葉だけに、本人も感慨深いものがあるだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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