「やり直したいけど…」誰もが認めた“ポグバ以上の逸材”モリソンが人生を回顧。“恩師”ファーガソンとの秘話も

2021年02月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

ルーニーが褒めちぎったポテンシャル

ポグバやリンガードら共に将来を嘱望されたモリソン(右)だが、自らの愚行によってそのキャリアを棒に振った。 (C) Getty Images

 そのポテンシャルは誰もが認める所だった。元イングランド代表MFのラベル・モリソンである。

 わずか17歳でマンチェスター・ユナイテッドの下部組織に入団したモリソンは、2011年にポール・ポグバやジェシー・リンガードとともにFAユースカップ優勝を経験。その後、トップチームでもデビューを飾り、その将来を大きく期待された。

 才能は多士済々のマンチェスター・Uにあってもずば抜けていた。名将アレックス・ファーガソンが、「これまで契約したどの若者にも負けない天賦の才を持っている」と評価すれば、当時のマンチェスター・Uでエースに君臨していたウェイン・ルーニーは「ラベルは、あの世代では一番で、俺たちよりもずっとうまかった」と褒めちぎったほどだった。

 だが、"逸材"と言われた多くの選手たちがそうであるように、モリソンは自らの"愚行"によってキャリアを棒に振ってしまう。遅刻や無断欠勤が常習化していただけでなく、友人が起こした強盗事件の被害者を脅したり、交際相手とのいざこざで裁判沙汰となったりと、トラブルメーカーと化したのである。

 チームの和を乱す存在となり、ファーガソンの逆鱗に触れたモリソンは12年の夏にウェストハムに放出。以降、一時はメキシコでプレーするなど、計4か国8チームを渡り歩き、かつての逸材のキャリアは暗転した。

【動画】ポグバらと異彩を放った逸材モリソンのマンU時代のプレーシーンはこちら
 今年1月には、昨夏に契約したばかりだったADO(オランダ)との契約を解除したモリソン。現在、無職の男は自身のキャリアに何を想うのか。現地時間2月16日に配信されたリオ・ファーディナンドがMCを務めるYou Tube番組『FIVE』で、次のように語った。

「もしも、時間を遡れるなら、90パーセントぐらいは人生をやり直したいし。やり直せるとも思うね。ただ、俺はこれからのことを楽しみたいとも思うんだ。過去のことは見ないようにしている」

 番組では、MCのファーディナンドが「収録前に受け取った」というファーガソンからのメッセージも紹介された。

「私は彼(モリソン)のことは常に気に懸けていたし、今も想っている。彼はマンチェスター・Uのトップチームデビューを飾った翌日の朝にわざわざ感謝の手紙をくれた。そんなことをしたのは、今までに見てきた多くの若手の中でも、彼だけだ。ラベルは誰よりも優しい心を持っていた。ただ、彼のバックグラウンドにやられてしまっただけだった」

 自らをプロの世界に導いてくれた"恩師"からの言葉に、目頭を熱くさせ、「あの人には本当に感謝している。デビューした時の気持ちは今も忘れてはいない」と語ったモリソン。気になる今後については、「俺は前向きだし、まだあきらめるつもりはない。ラ・リーガのチームから誘いは受けているから挑戦する可能性がある」とやる気を漲らせた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

次ページ【動画】ポグバらと異彩を放った逸材モリソンのマンU時代のプレーシーンはこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事