VARの再導入、4チーム降格――。Jリーグ審判団が「去年以上の緊張感を持っている」のはナゼ?

2021年02月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「VARはすべてに介入することができない」

VARが再導入される今季。佐藤主審が新シーズンに向けて、現在の思いを語った。(C)SOCCER DIGEST

 日本サッカー協会(JFA)は2月16日、2021年シーズンのJリーグにおける判定基準(スタンダード)およびVARについての説明会を実施。そのなかでプロフェッショナルレフェリーである佐藤隆治氏が代表して発言し、今季に向けての思いを語った。

 16日からいよいよ開幕するJリーグ。毎年、シーズンを前にメディアへ向けて審判の判定基準などについての説明会が行なわれている。今年はコンタクトプレーやハンド、オフサイドなど、判断が難しい場面のジャッジの仕方についての説明。また昨シーズン途中で導入を見送り、今シーズンから再導入されることとなったVAR(ビデオアシスタントレフェリー)についての確認が改めて行なわれた。

 今シーズンの再導入に向け、昨年11月から改めてVARのトレーニングを実施してきた審判団だが、説明会の最後に国際審判員でもある佐藤氏がレフェリーを代表してコメントを発表。「正直今年は去年以上の緊張感を持っている」と明かし、その理由と覚悟について語った。

「4チーム降格するというのは、もちろんチームと選手、サポーターにとってもかなり神経質になることだと思いますし、それは直結して我々現場でジャッジするレフェリーにとっても、ひとつの試合の勝ち負け、ひとつの判定というものが昨年以上に厳しく矢表に立たされるのだろうなという覚悟はしています」
 
 また、VARが介入できる事象は、得点、PK、退場、人間違いがあったかどうか、という4つの場面に限られるが、そのことにも触れ、VARが決して万能ではないことも強調。選手、メディア、サポーターにも広く理解してほしいと訴えた。

「例えて言うなら、このコロナが世界中に広まってひとつ収束に向かう手立てとしてワクチンっていうものがものすごく期待をされていると思います。でもご存じの通りワクチンは万能ではなく、副反応っていうものが一定数存在する。これはVARも僕は同じだと思います。その副反応は、単にレフェリーのVARの使い方だけではなく、選手やチーム、メディア、サポーター、サッカーに関わる全ての方が、VARというものがそもそもどういったものなのか、すべてに介入することができないなど、正しく理解していただくことでよりその副反応というものを減らせるのではないかと思います」

 昨季は、オペレーションルームが密閉空間であることなどの懸念から運用が途中で取りやめとなったVAR。今シーズンはオペレーションルーム内で、アルコール消毒や、透明なアクリル板によるつい立、マスク、フェイスガード、15分おきの換気など様々な対策を行なうなど、万全の態勢で実施される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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