「やっとマレーシアにも来てくれた」鹿島で10番を背負った元日本代表の海外挑戦に、現地ファン・メディアのリアルな反応は?

2021年02月11日 佐々木裕介

本山雅志が41歳にして海外へ!ただし、現地の状況は…

マレーシアに新天地を求めた本山。41歳の挑戦は現地でどのように受け入れられているのか。写真:サッカーダイジェスト

 Jリーグで輝かしい功績を残した蹴球アーティストがまたひとり、東南アジアへ向けて旅立った。国内通算527試合、国際Aマッチ28試合に出場した元日本代表、本山雅志である。

 向かった先はマレーシアだった。プレミアリーグ(国内2部)に所属するクランタン・ユナイテッドFC(以下、KUFC)への移籍が発表されたのが年の瀬の12月30日、正直驚かされたというのが本音だった。

 昨季は所属なし、一昨季に在籍したJ3ギラヴァンツ北九州での公式戦出場はゼロ。家業を手伝いながら選手復帰へ向けたトレーニングを継続していたとは聞くが、1年間の選手ブランクは計り知れないだろう。マレーシア2部といえども助っ人として計算が立つのか疑問だったからである。

 今回の移籍、現地ではどのように報じられているのか。マレーシアフットボール事情に詳しい現地人ジャーナリスト、アハマド・リズアン氏に話を聞いた。

――◆――◆――

――まずは本山選手が移籍したクランタン・ユナイテッドFCとはどんなチームなのか教えてください。
「タイ国境と南シナ海に面したクランタン州の州都、コタ・バルをホームとする2016年に創設された新興チームです。元々は、恐らく世界一長かったであろうものから、2019年にいまの名称へと変更されました」

――今回の本山選手の移籍について、現地ではどのように報道されているのでしょうか?
「国内大手メディアは挙って移籍を報じており注目度は高いです。またファンの間では、タイ(細貝萌/バンコク・ユナイテッドFC所属)やベトナム(松井大輔/サイゴンFC所属)では欧州での経験を持った元日本代表選手がプレーしている中で、やっとマレーシアにも来てくれたという嬉しさを抱いているのも事実。隣国とのライバル心ゆえの感情ですよね」

――本山選手はすでにマレーシア入りしていると日本でも報じられています。チーム合流しているのでしょうか?
「マレーシアには到着していますが、クアラルンプールのホテルで隔離中のようです。隔離完了後にコタ・バルへ移動し、合流となるのだと思います。ただし現在、マレーシアはパンデミックの影響でロックダウン中、チーム練習は行なわれていないんです」

――KUFCは今季から日本人監督を招聘したとも聞いていますが。
「はい、昨季クチン・シティFCで監督を務めていた日本人指導者(東山晃監督/昨季マレーシアリーグ優秀監督賞候補にノミネート)を迎え入れました。実はマサシ・モトヤマの他にも日本人選手を2人(深井脩平/前ヴァンラーレ八戸、谷川由来/前クチン・シティ)獲得しているんです。チームの骨格を"ジャパン"で固めてシーズンに挑むようですね」

【本山雅志PHOTO】稀代のドリブラーのキャリアを厳選フォトで 1995-2017

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