「相手が苦しむ可能性があると…」ペップが絶えないSNSでの誹謗中傷に持論!「我々だってミスをする」

2021年02月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

選手が死に追い込まれる事態にも

現役時代からサッカー界の酸いも甘いも見てきたグアルディオラが、昨今のSNSでの誹謗中傷に苦言を呈した。 (C) Getty Images

 インターネットやSNSが流行して久しい昨今は、サッカー界にも影響が波及している。

 新たなツールが誕生したことにより、各クラブや選手個人が独自に情報を発信。ファンとの距離感はかつてないほど近くなっている。一方で、反響がよりストレートに当事者のもとへ届くようになり、誹謗中傷あるいは人種差別的なコメントが問題となることも少なくない。

 そうした心無い意見が原因でキャリアを断つ選手もいる。昨年4月には、元U-20イングランド代表GKのテッド・スミスが「サッカーをプレーすることを楽しもうとしたけど、SNSでの反応が恐かった」と24歳での早期引退を決意。さらに今月6日に拳銃自殺を図った元ウルグアイ代表FWのサンティアゴ・ガルシアがそのような行為に至った理由は誹謗中傷と見られ、物議を醸している。

 そうしたSNSの在り方を、選手たちを管理する指揮官はどう見ているのだろうか。マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラは、9日に開かれた会見で、「もちろん注意する必要がある。SNSの対応はとても管理が難しいんだ」と持論を口にしている。

「例えば、南米である選手が自殺をした時、我々は『なんてことだ』とか『とても残念でならない』と言ったが、彼がSNSで言われたことを忘れている。それは、『彼はいい選手じゃない』とか、肌の色や家族や子どもといったプライベートなことかもしれない」

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 さらに一昨年の夏に、マンチェスター・CのB・シウバが人種差別騒動に巻き込まれたことについて「彼は私が出会った人間の中で最も人の良いナイスガイだが、今日、公の人々は様々なことで非難されることがある」と危惧したグアルディオラは、厳しい見解を示している。

「他人を判断したり、評価したりする人は、相手が十分に強くなくて、苦しむ可能性があることを注意しないといけない。選手や監督、もしくはレフェリーだってミスをする。だが、人々の非難の仕方や批判は信じられないものが目立っている。常に勝つこと、勝つこと、勝つこと、だ。

 全ての審判、全ての選手、全ての監督はいい仕事をしたいと思っている。ミスなどしたくないし、チャンスやPKでミスしたくないに決まってる。でも、仕事の一部なんだ。『サッカーをプレーするのはいいものだ』と言い始めようじゃないか。サッカーは単なるゲームだ。楽しまないと意味がない」

 SNSでの誹謗中傷が絶えない昨今だが、果たして、この難題に解決策が見出される日は訪れるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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