【J1戦力分析|サガン鳥栖編】指揮官は昨季の13位超えに自信を見せるが…残留できれば御の字か

2021年02月08日 荒木英喜

ゲームメイクをこなしていた原川の退団は痛手

鳥栖の来季予想布陣。原川が移籍し、松岡の相棒が誰になるか注目が集まる。

 チーム始動日に金明輝監督は「昨年同様、観ていて、プレーしていて、皆に充実感があるようなサッカーを表現できれば」とクラブを通じてコメント。ポゼッションベースの能動的な戦いの継続を示した。

 しかし、原川力、森下龍矢、原輝綺ら主軸が移籍し、ファン・ソッコと島川俊郎を除いた新戦力は、J1経験が豊富と言えず。特にボランチでゲームメイクをこなしていた原川の退団は痛手で、その代役は現時点で見当がつかない。

 また、アタッカー陣にも不安が残る。オルンガの元同僚としても注目を集めるイスマエル・ドゥンガと、イスラエルやトルコでキャリアを積んできたチコ・オフォエドゥの新戦力2人は、Jリーグ初挑戦と未知数な部分が大きく、過度な期待は禁物だろう。

 指揮官は「昨季の順位(13位)を上回る自信はあります」と力を込めた。新戦力がはまれば面白いが、厳しい見方をすれば、残留できれば御の字といったところだろう。
 
■ポジション別戦力分析
FW
ともに稼働率の悪かったレンゾ・ロペスとチアゴ・アウベスを放出し、万能型の山下敬大と俊敏な和田凌を獲得。新助っ人のドゥンガとオフォエドゥは未知数だ。

MF
司令塔タイプの原川が移籍し、松岡大起の相棒が誰になるか注目。守備力のある島川、今季から10番を背負う樋口雄太、正確なキックを持つ梁勇基あたりが候補者だ。

DF
原と宮大樹の抜けたCBはファン・ソッコと田代雅也で埋まりそう。懸念は森下が務めていた右SB。飯野七聖と今掛航貴は経験が浅く、不安が残る。

GK
横浜からのレンタルだった朴一圭を完全移籍で慰留できたのは大きい。控えの守田達弥もスタメンで計算できるベテランで、大きな心配はない。

監督
昨季終盤は目標のポゼッションベースのサッカーを展開できていた。4-4-2と4-3-3を併用しつつ、戦術の積み上げを図る。

文●荒木英喜
※『サッカーダイジェスト』2月11日号(1月28日発売)より一部修正して転載。

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