「太った奴が死にそうだ」マラドーナの最期を看取った担当医の“粗末すぎる”処置が明るみに「何が起こっているのか…」

2021年02月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

代表の盟友は怒りを露わに

突然の死で世界を驚かせたマラドーナ。その死のなぞが深まっている。 (C) Getty Images

 目をそむけたくなるようなニュースが飛び込んできた。現地時間1月30日、全国紙『Ole』を含む複数のアルゼンチン・メディアは、昨年11月に他界したディエゴ・マラドーナの死亡直前に交わされた担当医たちのやり取りを一斉に報じた。

 サッカー界の"英雄"がこの世を去ったのは昨年11月30日だ。硬膜下血腫の手術を受けた後、11月11日から満足な医療設備もない質素な賃貸住宅で療養生活を送っていたマラドーナは、急性心不全で息を引き取ったとされている。

 その死については釈然としない部分が少なくなかったが、新たな一報が舞い込んだ。アルゼンチン紙『Infobae』がすっぱ抜いたのは、マラドーナの担当医だったレオポルド・ルケ氏と精神科医のアウグスティーナ・コサチョフ氏が、音声メッセージアプリ『WhatsApp』を使って交わした会話だ。

 問題の音声は、以前からマラドーナに対する過失致死の疑い(本人は否定)がかけられているルケ氏の言葉から始まる。

「大変だ。太った奴は死にそうだ。彼は死ぬに違いない。心臓発作を起こしたみたいだ。だが、私には詳しく何が起こっているかは分からない。きっと彼は死ぬよ。私は最善を尽くそうと思う」

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 さらに直接マラドーナの応急処置に当たったとみられるゴサチョフ氏は「自力で彼を蘇生させている。挿管をしてチューブを通したけど、救急車が来なかったから15分くらいそれをやっているわ」と状況を説明した。

「私たちが入ってきた時は、彼の身体はとても冷たくなっていた。今は彼の体温は少し回復したみたい。でもそれだけ。対応してくれているチームは何も教えてくれないからよくわからないけど……。とにかく死んでるみたいだ」

 以前から技術や経験の無さが指摘されていた両氏のリーク音声には、非難が相次いでいる。マラドーナの盟友として知られる元アルゼンチン代表DFのオスカル・ルジェリは、米メディア『ESPN』の番組内で、「あいつは彼(マラドーナ)の友だちだったんだろ?」と厳しい言葉を投げかけた。

「驚いたよ。彼らが吐き捨てた言葉は友人にいうものじゃない。それも死の間近にいる友人に、だ。私が聞いた話では、何の知識もない料理人ですら、彼を回復させようとしたらしいじゃないか。ルケの扱いといい、全てがおかしいし、狂ってるよ」

 さらにルジェリは、悲痛な面持ちでこう訴えた。

「あの時のディエゴはただの風邪とかという状態じゃない。それにルケにとっては単なる患者じゃなく友人だったんだろ。ディエゴがいたたまれないよ。ルケは彼の隣にいることで世間に知られるようになった医者だ。だから、彼はディエゴの知名度を利用したんだよ。真相を突き止める必要がある」

 なぜサッカー界の英雄が、このような最期を迎える成り行きになってしまったのか。その真相を解明するため、検察の捜査対象となっているルケ氏をはじめとする関係者に対する追及が深まりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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