「ヘタフェを現実に戻した」久保建英の加入効果は早くも“賞味期限切れ”とスペイン人記者が指摘!「クボの移籍で光明が見えたが…」

2021年02月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

最初の2試合の相手はいずれも格下の昇格組

最初の2試合で違いを作り出し、指揮官の信頼を掴んだ久保だが…。 (C)Getty Images

 ウナイ・エメリ監督の信頼を得られなかったビジャレアルとのレンタル契約を半年で打ち切り、出番を求めてヘタフェへと移籍した久保建英。新天地では、ここまで4試合(うち先発が3)に出場している。

 スタートは上々だった。加入からわずか3日後に行なわれたラ・リーガ第18節のエルチェ戦(3-1)では、途中出場から2点に絡む鮮烈なデビュー。初先発となった続くウエスカ戦(1―0)でも持ち前のテクニックを活かしてチャンスを作り出し、時同じくしてバルセロナから加入したMFのカルレス・アレニャとともに、いきなり今シーズン初の連勝に貢献した。

 フィジカルが強く、ハードワークができる選手を重用するホセ・ボルダラス監督が、ともにバルサのカンテラ(下部組織)出身で、その好みとはいわば対極にいる久保やアレニャの獲得に動いたのは、攻撃で違いを作れる選手があまりに少なかったからだ。その補強戦略はさっそく成功したかに思われた。

 しかし、最初の2試合の相手はいずれも格下の昇格組だった。第20節のアスレティック・ビルバオ戦では、レアル・マドリーとバルセロナを連破してスーペル・コパを制したばかりの相手に1-5の大敗。うち3点は久保の位置する右サイドを崩されて喫したものだった。

【動画】腕を引っ張られながらも、強引に突破を図ってパスを出す久保
 
 ボルダラス政権で最悪の敗戦を喫したことが影響したのだろう。続くアラベス戦では、攻撃時にリスクをかけず、ロングボールに終始するこれまでのヘタフェのサッカーに回帰。ボールが空中を飛び交う展開では、久保の持ち味が発揮できなのは至極当然で、またチームとしてもほとんどチャンスは作り出せず、スコアレスドローに終わった。

 こうした状況のヘタフェに関して、「欠けているのはゴールだ」と題した記事を掲載したスペイン全国紙『AS』のJ.A.デ・ラ・ロサ記者は、ここまで20試合で17ゴールは、リーグワースト2位タイで、昨シーズンよりの12ゴールも少ないと指摘。久保とアレニャの加入効果についても、綴っている。

「(4-4-2から4-2-3-1への)システムの変更とアレニャとクボの加入により、ヘタフェの攻撃に光明が見えたかのように思われた。しかし、直近の2試合は、チームを現実に戻した。彼らは敵陣でボールを持てる選手だが、存在感が薄くなっている」

 今後も久保やアレニャを使い続けるのか。それとも、従来のスタイルに合った選手を選ぶのか。指揮官の決断が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【久保建英PHOTO】ヘタフェ加入後、存在感を示す久保の厳選ショットを一挙紹介!
 

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