セリエA20クラブの“冬の補強”をイタリア紙が採点! 「8点」で文句なしのトップは?

2021年02月03日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

インテルは唯一の「採点なし」

今冬に新天地を求めた(左から)ナインゴラン(カリアリ)、マンジュキッチ(ミラン)、ストロートマン(ジェノア)。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスによる経済打撃で、大きな取引があり得ないことは予想どおりだった。

 2月1日、冬のマーケットが終了した。一夜明けた2日、『Gazzetta dello Sport』紙は、全20チームの補強を採点。「資金少なく、ビジネス少なく」との見出しで、コロナ禍による厳しい条件下でのマーケットになったことを伝えている。

 その象徴と言えるのが、唯一の「採点なし」だったインテルだ。蘇寧グループがクラブを売却する可能性も取りざたされているミラノの名門は、ラジャ・ナインゴランをカリアリにレンタルで放出した以外に取引がなかった。

『Gazzetta dello Sport』紙は、クリスティアン・エリクセンが「新戦力」のようになり得ると評した。先日のコッパ・イタリア準決勝、ミランとのダービーマッチで直接FKから決勝点を挙げたエリクセンは、アントニオ・コンテ監督の下でレジスタとして新境地を開拓できるか注目されている。

 アタランタ、カリアリ、ジェノア、ユベントス、ラツィオ、ローマ、サンプドリア、サッスオーロ、ヴェローナと、じつに9チームが及第点の「6」だったことも、"月並みなマーケット"の裏返しかもしれない。

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 及第点を少し上回る「6.5」もフィオレンティーナのみ。反対に少し下回る「5.5」は、ベネベント、ボローニャ、クロトーネ、ナポリ、スペツィア、ウディネーゼだった。16チームが「5.5」から「6.5」に詰め込まれたかたちだ。

 その中で抜け出たのが、「7」のパルマとトリノだ。ただ、前者が降格圏の19位、後者が降格ラインと同じ勝点の17位だけに、主力級を補強する必要に迫られていたとも言える。

 パルマは最終ラインにミランからアンドレア・コンティ、ボローニャからマッティア・バーニを獲得。前線には最終日、中国から戻った元イタリア代表のグラツィアーノ・ペッレを加えた。ステアウア・ブカレストから総額1500万ユーロ(約18億8000万円)で獲得したデニス・マンがヒットするか注目だ。

 一方のトリノは、かつてローマ、サッスオーロ、ジェノアでプレーしたアントニオ・サナブリアを獲得。また、ユベントスが保有権を持つロランド・マンドラーゴラをレンタルで加えている。

 この2チームを上回り、リーグトップの採点「8」だったのが、各ポジションに新顔を加えた首位ミランだ。レンタル移籍のスアリオ・メイテにフィカヨ・トモリ、そして何よりマリオ・マンジュキッチのフリー獲得が評価された。

 前半戦の好調で「冬の王者」となったミランは、補強に踏み切ったことで自らハードルを上げたかたちだ。開幕時には想定外だった、10年ぶりのスクデットを獲得できるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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