【G大阪】3戦5ゴール――タフに戦うエース・宇佐美貴史の充実

2015年04月13日 サッカーダイジェスト編集部

去年よりも体重を減らし、「身体に無理が利くようになっている」

通算6ゴールでJ1得点ランクトップに。宇佐美の爆発は止まりそうにない。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 3月に待望の日本代表デビュー、そして代表初ゴールを決めた宇佐美が、G大阪で真のエースとして結果を出した。
 
 4月13日の清水戦、2点のリードを追いつかれて2―2で迎えた80分。二川からのパスをペナルティエリアのやや外、ふたりのDFの間でゴールを背にして受けた。すると左へ走ったパトリックの動きにDFのひとりがつられたのを見逃さず、素早いターンでひとり目の逆を取った。あとはふたり目を緩急をつけたドリブルで振り切り、右足でニアサイドをぶち抜いて、決勝点を叩き込んだ。
 
「ファーを狙うフォームで、ニアを抜く得意な形でした。(ファーのシュートコースは)後ろから来るDFがスライディングしてくることもある。インパクトの瞬間に(シュートの軌道を)変える感じでした。ゴールを取るタイミングが重要だった。自分の得点が結果にリンクしたので嬉しい」
 
 チームが苦しく、自身も体力的に厳しい時間帯に、高い技術が集約されたこの日2点目のゴールで、リーグ戦3連勝を引き寄せた。
 
 これまで宇佐美と言えば、波に乗ったら手がつけられないが、特に後半は足が止まる試合も目立っていた。持久力はデビュー当時からの課題で、今季も開幕の3月7日・FC東京戦でも79分に交代。その後、後半アディショナルタイムにFC東京の武藤に同点弾を見せつけられるなど、目の前でライバルから課題を突きつけられる試合もあった。
 
 そんな弱点を克服するため「今年は徹底して体重管理をしている。食事制限などで、去年よりも6キロ減らしている。無駄がない分、身体に無理が利くようになっている」と語る。
 
 清水戦では29分、左サイド後方からのパスに右足のトラップでボールを浮かせてDFをかわし、ハイレベルな先制点も決めた。Jリーグレベルではすでにトップクラスの技術を備えているだけに、その力を90分通じて発揮できる身体作りを目指している。
 
 64分には日本代表GKの東口が、後方にいる敵に気付かずにボールを足もとに置き、かっさらわれて同点ゴールを献上するミスを犯していた。そんな仲間の大失態を帳消しにする決勝点に「(東口からは)なんでもおごるって言われましたね。高い焼き肉でもおごってもらおうかな。僕のゴールで、少しでも気持ちが楽になるというか、救うことができたならうれしい」と笑った。
 
 自身初のリーグ3戦連発で、得点ランキングでも通算6得点で単独トップに立った。その才能をチームのために活かすことができる選手へ、宇佐美はさらなる成長の時を迎えようとしている。
 
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