「見たくない!」「誤ったメッセージに…」ルカクと衝突のイブラヒモビッチ。人種差別は否定もイベント出演取り消し求める声が殺到

2021年01月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「両者を退場にすべきだった」とも

ルカクと衝突した口論に発展したイブラヒモビッチは非難の声に晒されている。 (C) Getty Images

 ズラタン・イブラヒモビッチとロメル・ルカクのバトルは、思わぬかたちで波紋を呼んでいる。

 事の発端は1月26日のコッパ・イタリア準々決勝、インテル対ミランのミラノダービーでの一幕だ。イブラヒモビッチとルカクは前半終盤に小競り合いを起こし、主審はそれぞれにイエローカードを出したが、ヒートアップした両者は前半終了時に再び口論になった。

 そして後半にファウルで2枚目を出されたイブラヒモビッチは退場に。これで数的不利に陥ったミランは、71分にPKをルカクに決められて追いつかれると、終了間際にクリスティアン・エリクセンのFKで逆転負けを喫した。

 一部メディアが「両者を退場にすべきだった」と報じた大型ストライカー同士の衝突は、普段温厚なルカクの激高ぶりもあり、イブラヒモビッチが人種差別発言をしたのではないかとの疑惑が浮上した。

 試合後からイブラヒモビッチはチームに人種差別発言を否定したと報じられていたが、一部では、あるイベントから外すべきとの声が上がっているという。3月に予定されているサンレモ音楽祭のことだ。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』が報じた。

【動画】ルカクとイブラヒモビッチが大口論! ミラノダービーで起きた問題のシーンはこちら
 3月2日から5夜連続で開催される音楽祭には、今年の目玉ゲストのひとりとして、イブラヒモビッチがキャスティングされている。しかし、今回のルカクとのトラブルから、出演はふさわしくないと考える人も少なくないようだ。記事によると、SNSでは出演取り消しを求める投稿が寄せられた。

「見たくない!ましてや"主賓"だなんて」
「『Rai』は出演をキャンセルすべきだ」
「挑発者やレイシストに対する強いメッセージになる」

 また、消費者団体も「主賓としての出演は考えられない」と、主催者に対して正式に出演取り消しを要請している。

「不快なエピソードで話題となったサッカー選手を主賓とすることで、『Rai』は企業が人種差別を保証するという誤ったメッセージを送る恐れがある」

 イブラヒモビッチは試合翌日、自身のSNSで「ズラタンの世界にレイシズムの余地はない。オレたちはみんな同じ人種、みんな平等だ。オレたちはみんな、ほかより多少うまい選手というだけだ」と、完全否定している。投稿には、6月に投稿した反人種差別動画へのリンクも添えられた。

 ルカクとイブラヒモビッチの処分に加え、音楽祭への出演に影響はあるのか。出演に変更がない場合、人々はどのように反応するのか。ミラノダービーで起きた騒動で広がった波紋はしばらく落ち着きそうにない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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