【U-18プレミアリーグ】高体連の強豪対決は青森山田に軍配、流経大柏はチームの骨格が固まらず

2015年04月13日 平野貴也

指揮官も自信を見せる青森山田のセットプレー。

青森山田の神谷は前線で攻撃の起点となるプレーを見せた。写真:平野貴也

 高校年代の最高峰リーグである高円宮杯U-18サッカーリーグ プレミアリーグが4月11日に開幕し、EAST1節の第2日となった12日、味の素スタジアム西競技場で行なわれた第2試合では、青森山田が2-1で流経大柏を下した。
 
 全国大会上位の常連校同士という注目対決で主導権を握ったのは、青森山田だった。快足FW鳴海彰人が相手の背後を狙いつつ、東京Vユースから移籍した神谷優太が足下でパスを受けて起点となり、左MF三上孝太のアーリークロスから好機を演出。28分、右サイドでFKを得ると、三上が左足を一閃。見事な先制ゴールをたたき込んだ。
 
 守備面でも常田克人、近藤瑛佑が空中戦で強さを見せ、主将の左DF北城俊幸を中心に高い集中力を見せた。右DF原山海里は、ロングスローで存在感を発揮。後半早々にセットプレーから1点を奪われた直後、原山のスローインから豊島祐希が競ったこぼれ球を鳴海が頭で押し込んで勝ち越した。
 
 堅守とセットプレーは、今季の青森山田の武器。黒田剛監督は「粘り強い守備をしながら少ないチャンスを物にする。セットプレーは武器。珍しく、投げられる選手と高さのある選手が両方揃った。ここで取らないで、いつ点を取るんだというくらい大事にしている」と手応えを語った。
 
 一方、流経大柏はチーム作りの面で大きく後れを取った。メンバー構成が固まらないまま開幕を迎え、特に攻撃面で一体感を持てなかった。20分過ぎからはメンバーの顔ぶれや配置が目まぐるしく変化。30分過ぎに鈴木豪、境目正義が両サイドMFに投入されると、サイド攻撃で一時的にペースを取り戻したが、すぐに縦へのコースを抑え込まれて、ロングパス頼みの単調な攻撃に陥った。
 49分に左CKからDF本村武揚が同点弾を押し込んだが、直後に失点。それでも抜群の身体能力を誇るFW織田敦暉を前線に投入すると激しい肉弾戦に持ち込んでゴールへ迫ったが、粘り強さを発揮した相手に逃げ切られた。
 
 連係や戦術面の上積みがない状態でも勝負際まで追い込むあたりにポテンシャルの高さが感じられたものの、結果、内容ともに不満の残るゲームとなった。流経大柏の主将、菅原俊平は「どうやって攻めたいのか、全体の意思統一ができていない。攻め手がなかった。しかも、僕たちの良さである守備でも2点を取られた」と肩を落とした。
 
 現状の仕上がりは、青森山田が上。チームスタイルをしっかりと発揮したなかで勝点3を獲得して実力を証明した。流経大柏は、今後どのようにチームをまとめるのかが見もの。終盤は負けん気むき出しのファイトで同点の可能性を生み出していただけに、巻き返しが楽しみだ。

取材・文:平野貴也

■U-18プレミアリーグの結果
EAST

流経大柏 1-2 青森山田
JFAアカデミー福島 1-3 清水ユース
柏U-18 0-0 大宮ユース
市立船橋 1-0 札幌U-18
FC東京U-18 0-1 鹿島ユース

WEST
京都U-18 2-2 神戸U-18
京都橘 1-1 大分U-18
C大阪U-18 6-1 東福岡
G大阪ユース 4-1 名古屋U18
履正社 2-4 広島ユース
 
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