「クボに居場所を追われた男」を封じる! “守備への懸念”を2試合で払拭した久保建英、ビジャレアルでの半年間は無駄ではなかった

2021年01月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「我々の守備を大いに助けてくれた」と指揮官も称賛

移籍後初先発となったウエスカ戦で、攻守に存在感を発揮した久保。 (C)Getty Images

 現地時間1月20日に開催されたラ・リーガ第19節のウエスカ戦で、久保建英は4-2-3-1の右サイドハーフで移籍後初スタメンを飾り、80分までプレー。1-0の勝利に貢献した。

 やや意外だったのが、持ち前のテクニックやキープ力だけでなく、守備での評価も高かったことだ。『エル・パイス』紙のラディスラオ・ハビエル・モニーノ記者は、「光ったのは守備面での働きだ。繰り返し自陣深い位置まで戻って、(右SBの)ダミアン・スアレスをサポートしていた。タクティカルファウルで3度相手の攻撃の流れを断ち切ったのは、献身性の高さの表われだ」と評価した。

 久保とダミアンが対峙したのが、パチェタ新監督の下で3-4-3を採用したウエスカの、左ウイングのハビエル・オンティベロスと左ウイングバックのハビ・ガランだった。昨夏に久保の加入によってビジャレアルを追われる格好となったオンティベロスは打開力に優れ、崩しの切り札的な存在だったが、ヘタフェの右サイドコンビは仕事をさせなかった。

 現地サイト『Futbolfantasy』などが報じたところによれば、ハードワークが信条で、守備には人一倍うるさいホセ・ボルダラス監督は試合後、次のように語っている。

「クボは守備的な仕事で献身性を見せてくれた。ウエスカが同点ゴールを奪おうとトライしてきたなか、ダミアンの大きな助けになった。オンティベロスとガランのサイドは非常に攻撃的で危険だ。彼らは開幕以来それを示してきた。だが、久保が我々の守備を大いに助けてくれたんだ」

【動画】守備面も高評価! 久保建英が初スタメンを飾ったウエスカ戦のハイライトはこちら
 加入前は、ボルダラス監督のフィジカル的なスタイルに適合しないのでないかという懸念もあったが、たった2試合で守備面で評価を得られたのは、マジョルカ、そしてビジャレアルでの経験のおかげだろう。

 ビセンテ・モレーノ監督の下、リトリートしてブロックを作ることが多かったマジョルカでは、当初は守備面がネックとなり、スーパーサブのような扱いだった。だが、徐々にディフェンス面が改善され、シーズン後半には不動のレギュラーとなった。

 ビジャレアルで師事したウナイ・エメリ監督も、相手や状況に合わせてスタイルを変え、細部にまでこだわる守備を要求する指揮官だ。信頼を掴むまでには至らなかったが、その経験が活きているのは間違いない。

 もちろんまだ2試合を終えただけで、ポジショニングや周囲との連係など、改善していく部分はある。ただ、新天地でみせた逞しい戦いぶりは、ビジャレアルでの半年間のレンタル生活が決して無駄ではなかったと感じさせたくれた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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