「二度と戻ってこなかった」わずか16試合で上海申花を退団したイタリア代表FWに中国メディアが皮肉「年俸はわずかに…」

2021年01月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

あまりに異なった環境に適応しきれず…

中国で成果を上げられなかったイタリア代表FWのエル・シャーラウィは、母国復帰を決断したようだ。 (C) Getty Images

 人生の新しい冒険に挑んだイタリア代表FWは、今冬にアジアからカルチョに舞い戻ることになりそうだ。

 現地時間1月22日、伊衛星放送『Sky Italia』は、上海申花に所属していたステファン・エル・シャーラウィの古巣ローマ復帰が決定的となったと報じた。

 現在28歳のエル・シャーラウィは19年7月に、ボーナスを含めて年俸が最大2000万ユーロ(約25億円)になるメガオファーを受け、3年契約で上海申花に入団。しかし、母国とはあまりに異なった環境に適応しきれなかったことで退団を決意したようだ。

 移籍事情に精通するイタリア人ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によれば、イタリア代表としてEURO2020の出場を目指しているエル・シャーラウィは、上海申花との契約に盛り込んでいた「途中解除できる」という条件を行使。フリーの身になったうえで、ローマと2023年6月までの契約を締結したという。

 中国スーパーリーグでの戦績が、16試合の出場で1ゴールだけと、大きく期待を裏切っていたエル・シャーラウィの退団に驚きを隠せないのは、中国メディアだ。ポータルサイト『新浪体育』は、「エル・シャーラウィが給与を放棄し、上海申花に巨額の損失を負わせた」と辛辣な評価を綴っている。

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「多くの外国人選手が中国を去っていくなか、エル・シャーラウィもその後を追った。彼は昨年9月に代表チームのためにイタリアへ行ってから二度と中国へは戻ってこなかった。そして、チームを退団することで合意した。契約解除に伴ってローマから500万ユーロ(約6億2500万円)の支払いは受けられるようだが、少なくとも1500万ユーロ(約18億7500万円)近い損失は免れない」

 さらに同メディアは、現在、エル・シャーラウィがUAEで自主トレーニングに励んでいることを紹介し、「新型コロナウイルスの検査次第で正式に発表されるだろう」と見解を綴った。

「彼はすでに帰国の準備を進めている。そして早ければ、今日にもメディカルチェックが終わるだろう。そうなれば、ローマとの契約が結ばれ、上海申花を正式に退団することになる。ちなみに彼がローマと新たに結ぶ契約の年俸はわずか350万ユーロ(約4億3750万円)だ」

 昨年12月に中国サッカー協会が、「外国人選手の給与は300万ユーロ(約3億7941万円)を超えてはならない」というサラリーキャップ制度を設けて以来、スター選手の退団が目立っている中国スーパーリーグ。エル・シャーラウィのようにチームを離れる選手は、今後も増えていくかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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