CB起用も実らずバイエルンに完敗…。EL出場権獲得へ長谷部誠が抱えるもどかしさ

2015年04月12日 山口裕平

EL出場を狙える位置には付けるものの、鬼門となる敵地でのゲーム。

ホームでの強さとは裏腹に敵地で脆さを見せるフランクフルト。長谷部もそこにもどかしさを感じているようだ。(C) Getty Images

 ヨーロッパリーグ(EL)出場を目指すフランクフルトは、アウェーでバイエルンと対戦し、0-3で敗れた。フランクフルトのバイエルン戦最近7試合の合計スコアは0-13、1分け6敗。厳しい戦いを強いられていたが、この試合でも力及ばず完敗を喫した。
 
 累積警告による出場停止1試合を除いた全試合に先発出場している長谷部は、今季27試合目となる先発メンバー入りを果たした。もはやこの日本人MFがフランクフルトの中心的存在であることは疑いの余地がない。それはこの試合の途中から長谷部がCBを務めたことからも明らかだろう。
 
 本人は「与えられた仕事をやるだけ」と気にも留めていなかったが、監督からの信頼がなければ本職以外のポジションで起用されることなどないだろう。そんな長谷部はシーズン後半戦が開幕する頃にEL出場を現実的な目標として掲げていたが、現在は少し状況が変わりつつあるようだ。
 
 フランクフルトは暫定8位につけており、EL出場権獲得となる6位との差はそれほど大きくない。もしDFBカップで上位チームが優勝すれば、7位のチームにも出場権が与えられることになり、そうなればフランクフルトの欧州カップ戦出場の可能性はさらに高まってくる。
 
 しかし、このところのフランクフルトは勝ち切れない戦いが続いている。前節は残留争いの渦中にあるハノーファーに、ホームで2点差を追いつかれ、その前週には最下位シュツットガルトに逆転負けを喫した。今季はリードしながらも守り切れなかった試合は9つを数える。
 
 そうした状況に長谷部もこう漏らしていた。
「ELを狙える順位にいるとはいえ、そこ(EL圏内)に上がるチャンスを今シーズンは何度も逃している。そういった意味ではELで戦う資格がまだまだないのかな……」
 
 さらに今季のフランクフルトは典型的な内弁慶なのである。アウェーでは7試合勝利なし。リーグでも下から3番目の成績しか残せていない。
 
 長谷部自身も1-3で敗れたシュツットガルト戦後には、
「自分の仕事をやった上でチームが勝てれば最高ですけど、これがアウェーの時はなかなかできていないので悔しいし、もどかしい」
とアウェーでの戦いぶりについて語り、ホームのような戦いができていないことを認めている。

次ページラスト6試合の相手との前半戦成績は3勝2分け1敗。

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