「ベテランたちが嫌ったのは…」エジルがアーセナルで干された理由は何か? 恩師と英紙の分析から紐解く

2021年01月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

“恩師”と言えるヴェンゲルの考えは?

チームの大黒柱だったエジルはなぜアーセナルを干されてしまったのか。 (C) Getty Images

 長らく注目を集めてきたメスト・エジルの去就は、トルコの名門フェネルバフチェ入団でケリがつくことが決定的と見られている。現地時間1月18日にはイスタンブール空港に同クラブのタオルマフラーを身に着けて登場し、自ら移籍決定をアピールした。

 2013年の夏にレアル・マドリーから入団して以来、アーセナルでは長らく絶対的司令塔に君臨したエジルだが、近年は低調なパフォーマンスが続いて、序列が低下。今シーズンはプレミアリーグとヨーロッパリーグの登録メンバーからも外され、事実上の"追放"という屈辱的な扱いを受けた。

 長くガナーズの復権のために尽くしてきたナンバー10は、なぜ干されてしまったのか――。識者や現地メディアの見解は様々だ。

 アーセナルを22年間に渡って指揮し、エジルにとっては"恩師"とも言えるアーセン・ヴェンゲルは、米スポーツチャンネル『ESPN』のポッドキャスト内で、「彼のような繊細な選手にはサポート、そしてベストを尽くすように後押しする環境が必要」と、現チームでの扱い方に問題があると指摘する。

「彼はアーティストなんだ。そして、こういう選手たちはより少し繊細なものだよ。私にとって彼は"腫れ物"になるような扱いにくい選手ではなかった。ただ、全員に同じインテンシティーの仕事、同じ守備の仕事をさせるか、あるいは妥協するかどうかだは決めなければいけなかった」

【動画】まさに魔術師! エジルがCLで魅せた華麗なる3人抜き弾はこちら
 一方で、「甘やかされていたエジルの振る舞いにも問題があった」と分析するのは、英紙『Independent』だ。

 同紙によれば、元ドイツ代表の天才MFが、時に独善的ともいえるプレーを"やり過ぎる"ことからチーム内の一部選手に嫌われていたという。

「メスト・エジルはサッカーで自己表現を惜しまない。だが、それをベテランの同僚たちは『やり過ぎだ』と感じることがあった。とくに嫌ったのは、練習や試合での態度だ。このドイツ人は、自分勝手にパスやドリブルなどをやって気楽にプレーする一方で、守備やハードワークを怠る傾向にあった。それをベテランたちは認めなかった。

 ただ、若手たちは常にエジルを『ヒーロー』と見ていた。そしてボールを使って何でもやってしまうエジルに畏敬の念を抱いてすらいた。彼らはとても仲が良く、常にスキルアップのためのアドバイスを受けていた」

 ついにノースロンドンを離れることになったエジルは、新天地でかつての輝きを取り戻せるのか。天才MFの復活を期待するファンは少なくないはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

次ページ【動画】まさに魔術師! エジルがCLで魅せた華麗なる3人抜き弾はこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事