【G大阪|新体制】攻撃的スタイルへ回帰できるか。鍵を握るのは補強よりも…

2021年01月19日 金川 誉

目指す形は「攻撃的な守備」を強調した戦い

1月18日、G大阪はキックオフイベントを開催。新ユニフォーム発表では、左から一美和成、佐藤瑶大、林瑞輝が登壇した。© GAMBA OSAKA

 攻撃的スタイルへの回帰――。宮本恒靖監督は1月18日、オンラインで行なわれた新体制発表会見で、今シーズンの目指すサッカーについて「昨年、しっかり作った守備のベースを生かしながら、もっと攻撃したい。我々のクラブが持ち続けている伝統的なものを出したい」と宣言した。「ガンバ大阪=攻撃的」。近年薄れつつあるこのスタイルを取り戻したうえで、タイトルに挑むという難しい道への覚悟を示した。

 18年途中、降格危機に瀕したなかで就任した宮本監督。遠藤保仁を象徴としたパスサッカーへの強いこだわりを持つクラブ、そして選手たちだが、18年は9位、19年は7位と上位争いには絡めず。20年はパスで押し込み、前線からのハイプレスで攻め切るといったスタイルを目指したが、理想どおり相手を敵陣に押し込むようなパスワークは構築できなかった。

 そんななかで「去年は少しダイレクトにゴールを目指すサッカーを強調した期間があった」と語ったように、夏以降は堅守を軸に、攻撃は好調・パトリックの高さを生かし、ビルドアップを省略してセカンドボールを拾い、前進する形を選択。リーグ2位という成果を掴んだ。
 現在のG大阪を見ると、GK東口順昭、DF昌子源、キム・ヨングォン、三浦弦太、MF井手口陽介など、守備に特徴を持つ選手たちに代表クラスが居並ぶ。「4対3の試合より、1対0で勝つほうが良いと思っています。相手に隙を与えない厳しい守備は、チームとして持っていたい部分」と守備からチームを構築する考えを持つ宮本監督にとって、攻撃はシンプルに、守備はタレントの力も生かして堅守で勝ち切るという昨季の戦いは、ひとつの答えだったはずだ。しかしリーグ、天皇杯とも川崎に差を見せつけられた結果も伴い、守備だけでは頂点には立てないことも思い知らされた。
 
 目指す形は「攻撃的な守備」を強調した戦いになるだろう。宮本監督は「去年も最初はトライしたが、自分たちでボールを動かし、相手陣内に入っていく。そこで得点につなげていく、というところはやりたい。守備に関しても去年からの"攻撃的な守備"のイメージは選手とともに持てているので、そこは続けていきたい」と語る。

 守備のベースは失わないまま、攻撃に転じれば技術を生かしたパスワークで相手を押し込む。失っても前線からの守備で奪い返す。現代サッカーで主流となっているスタイルで、攻撃性を打ち出そうとしていくはずだ。

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