「マラドーナを獲得しようとしたが、死んでいた」元フランス代表監督のドメネクの“問題ジョーク”が物議!

2021年01月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

アルゼンチン紙は「悪趣味だ」と批判

以前から問題のある言動が物議を醸していた元フランス代表監督のドメネク。またしても自身の発言が波紋を広げている。 (C) Getty Images

 大物監督の発言が物議を醸している。事の発端となる言葉を口にしたのは、元フランス代表監督のレイモン・ドメネクだ。

 2004年から10年にかけてレ・ブルー(フランス代表の愛称)を率いた実績を持つドメネクは、昨年12月にリーグ・アンのナントに就任。現在、降格圏まで4ポイント差の17位に苦しんでいる古豪の再建を託されている。

 問題の発言は、1月1日に欧州の移籍市場が開き、後半戦での巻き返しに向けたナントの補強動向が注目される中で発せられた。ドメネクは8日に行なわれた会見で、「私はよく知らないが、うまくはいっていない」と正直に告白。そのうえで、こう皮肉を続けたのだ。

「これが現実だ。我々はマラドーナの獲得を狙ったが、彼はもう死んでしまっていた。そんなところだ。そもそも移籍市場は我々のような監督にとって傷の種でしかないよ。新しいプレーヤーを連れてくることは常にグループに混乱を生じさせるものだからね」

 68歳のフランス人監督にとっては何気ないジョークのつもりだったのかもしれない。だが、昨年11月25日に急逝し、世界を悲しみに包み込んだアルゼンチンの英雄の死を"ネタ"にしたことで、ドメネクは非難に晒されている。

 地元ラジオ局『RMC』で解説を務めている元フランス代表MFのジャン=ミシェル・ラルケはドメネクの一連の発言に対して、怒りを滲ませた。
 
「とても不快だ。一体どうやったらあのようなことを言えるのだろうか。移籍市場に関する彼の見解には賛同する。ただ、マラドーナに対する侮辱的なフレーズはありえない。本当にゾッとするよ」

 無論、マラドーナの母国アルゼンチンのメディアからもバッシングの声が上がっている。全国紙『Ole』は、「ドメネクの冗談はあまりに悪趣味だ」と糾弾した。

「レイモン・ドメネクが忘却の彼方から戻ってきた。だが、ナントに就任した彼は、10年に及んだ無職を経ても何も変わっていなかった。マラドーナの死という不幸に対するジョークはあまりに悪趣味だ。ドメネクは相変わらずチーム内で何かをするのではなく、ピッチ外での見出しを作り続けている」

 英雄に対する敬意を欠いた今回のドメネクの発言は、小さくない波紋を広げそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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