山梨学院が優勝候補・昌平を撃破! 大会初弾の久保壮輝に指揮官が感じた人間的成長「お前を信じている」【選手権】

2021年01月05日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「藤枝明誠戦であいつが泣いてたんです」

久保(20番)が挙げた虎の子の1点を最後まで守り抜いた山梨学院がベスト4進出を果たした。写真:田中研治

[高校選手権準々決勝]山梨学院1-0昌平/1月5日(火)/フクダ電子アリーナ

 監督の信頼に応えたFW久保壮輝(3年)の一発を最後まで守り抜いた山梨学院が、11年ぶりに準決勝へ駒を進めた。

 試合は立ち上がりから、山梨学院が前から激しくプレッシャーをかけてボールを奪うと、サイドにうまく展開して中央にスペースを作り、そこに走り込んでボールを受けたMF広澤灯喜(3年)が積極的にシュートを放つなど、再三にわたって好機を演出した。

 すると前半7分、得意のセットプレーから先制ゴールが生まれる。FKからのアーリークロスを、ファーサイドでDF一瀬大寿(3年)がヘディングでゴール前に折り返し、これを「一瀬君を信じて、落ちてくるところを予測していた」という久保がしっかりと頭で押し込んだ。

 その後は、昌平の鹿島内定MF須藤直輝(3年)を起点とするパスワークに苦戦するも、コンパクトな守備を保って決定的な枠内シュートを打たせず。セットプレーやロングフィードに対しても、長身CBコンビの一瀬と鈴木剛(3年)がことごとくはね返し、山梨学院が最後まで粘り強く虎の子の1点を守り切った。

 開始早々に先制ゴールを挙げ、チームを勝利へと導いた久保は、「前日のミーティングから厳しい試合になるので集中して守り切ろうと話していた。ディフェンスラインは信頼していて、ゼロで抑えてくれると信じていたので、得点に集中することができました」とクリーンシートを達成した守備陣に感謝を示した。
 
 久保にとってはこれが今大会初ゴール。練習試合では得点を挙げていたものの、公式戦となると力が入りなかなか結果を出せずにいた。そんななか昌平戦の試合前には、長谷川大監督に呼び止められ、「お前を信じているから点を取れ」と声を掛けられたという。

 指揮官も今回の働きを称えつつ、なかなか結果が出ないなかで久保を起用した理由についてこう明かしている。

「藤枝明誠戦(3回戦)でPKが終わった時にあいつが泣いてたんです。それは自分が点を取っていればPKになっていなかったので、みんな助けてくれてありがとう、というところだと思うんですよ。あれを見ると、人としてひと回り成長したなと思うところもあったので、今日は思い切ってお前にかけると、ふたりの長身CBの間でしっかり勝負をしろというところは彼のタスクだったので、よく働いてくれたと思います」

 見事監督の期待に応えた久保の一発で、優勝候補の一角を撃破し4強入りを果たした山梨学院。次戦は9日に埼玉スタジアムにて、2年連続で準決勝に駒を進めた帝京長岡と相まみえる。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

【高校サッカー選手権準々決勝PHOTO】山梨学院1-0昌平|昌平の怒涛の反撃を防ぎきり山梨学院が接戦を制す!

【PHOTO】全国高校サッカー選手権のブレイク候補たちを一挙紹介!~FW編
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事