[高校選手権２回戦]市立船橋１-０那覇西／１月２日（土）／フクダ電子アリーナ

　１回戦はともに４得点とゴールを量産して勝ち進んだ両チームの対戦は、双方の守備力が発揮されたロースコアな展開となった。

　均衡を破ったのは前半19分。相手GKからのボールを市立船橋のMF佐久間（３年）が拾い、DF登録の木内（３年）がゴール右隅に突き刺し、先制に成功する。

　試合後に市立船橋の波多秀吾監督が「那覇西の高い技術、パスワークには苦しんだ。それでも先制点を取れたことが大きかった」と語ったように、このゴールが決勝点となり、１－０で市立船橋が勝利を収めた。

　この日際立っていたのは、守備時はオーソドックスな４－４－２、攻撃時には３バックに可変し、左右のサイドプレーヤーが高い位置を取る市立船橋の戦術。那覇西のGKから丁寧につなぐパスサッカーを封じる原動力となったのは、両サイドの選手のバランス感覚だ。
 

　決勝点となるゴールを決めた木内は「素直に嬉しい。休校期間でも自分なりにしっかりと準備ができた」と２戦連発、今大会３ゴール目を喜んだ。

　昨年度の選手権では２年生ながら左SBとして先発出場していた木内は今大会では１列前のサイドハーフとしてプレー。利き足は左ながら、「箸を持つのは左で、スプーンとかフォークは右。ボールを投げるのは右。字を書くのは左。利き足は左です」とのことで、右足も使いこなす。

　実際、この日の得点も左サイドから中央に走り込み、味方からのパスを右足で綺麗に弧を描く弾道でゴール右のネットに突き刺してみせた。「右足で点数を取るという事は今まであまりなかった。自信をもって試合に臨めているのが結果に繋がっていると思う」（木内）

　前回大会では初戦の２回戦で姿を消してしまった"市船"。その悔しさを知る木内が、７年ぶりとなる１大会２勝目をもたらし、16強へと導いた。

　市立船橋は、翌日に行なわれる３回戦で、３－０と宮崎日大に快勝した仙台育英と対戦する。

構成●渡邊裕樹（サッカーダイジェストWeb編集部）

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