「県外での試合はほとんど初」4-3で秋田・明桜に逆転勝利!那覇西が直面した沖縄ならではの難しさ【選手権】

2021年01月01日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

平安山監督は「プレーがどこか縮こまっていたように感じました」と課題を指摘

後半終了間際に逆転弾を決めた主将・山川。写真:徳原隆元

[高校選手権1回戦]那覇西4-3明桜/12月31日(木)/フクダ電子アリーナ

 2年ぶり17回目の出場となった那覇西(沖縄)と、27年ぶり4回目の出場となった明桜(秋田)との一戦は攻撃サッカーを標榜する両チームのストロングポイントが発揮された得点の奪い合いとなった。

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 先手を取ったのは明桜だった。20分に1年生FW佐藤拓海のお膳立てに2年生MF田村仁志がミドルシュートを決め先制すると、さらに26分、三浦柊羅(3年)のクロスにヘディングで合わせた2年生FW田中将太が加点し、2-0とリードを広げる。

 明桜のキャプテン・鎌田太耀(3年)は「ボールをにぎって、2点を奪うまでは上手くゲームを進められたと思います。ただ、歴史を変える一戦に出来なくて残念です」と悔しさを滲ませた。

 校名が秋田経法大附だった1993年以来、実に27年ぶりの出場で2点を先行し「明桜」としての初勝利の予感を漂わせていた。
 
 一方の那覇西の平安山良太監督は「やる気はあったが、プレーがどこか縮こまっていたように感じました」と立ち上がりの悪さを指摘する。

 要因としては、コロナ禍で「他県と試合をする機会がほとんどなく、沖縄県内での調整だった」ことや、旅費やさまざまな状況から「こちらに入るのは27日になった」という移動や調整の難しさ、特に、前日からの寒波による「寒さ」対策など、沖縄ならではの難しさもあったという。

 しかし、キャプテンの山川樹(3年)はそんな沖縄からも駆け付けた父兄やスタンドにいた部員たちの姿を見て「このままでは帰れないなと思って、そこから落ち着きを取り戻しました」と、徐々に那覇西のパスサッカーが躍動感を持ち始めた。

「結果としては前半終了間際の1点が大きく、終盤のゴールに繋がったと思います」と指揮官が語るように、前半36分に那覇西の金城巧樹に得点で追い上げムードが出てくると、後半は両チームの意地がぶつかり合った。

 那覇西は、後半2分に得たPKを照屋圭人(3年)が決めて試合を振り出しに戻すが、明桜の佐藤嵐(2年生)が後半22分にゴールを奪い再びリードを奪う。

 それでも那覇西は後半35分、石川元尋(2年)のゴールで同点とすると、同39分にキャプテン・山川のゴールでついに逆転し、歓喜のタイムアップを迎えた。

 決勝弾の山川は「県大会から課題となっている守備はまだまだ。苦しい試合だったけど最後まで楽しみながらできました」と、GKから丁寧につなぐパスサッカーに手応えを感じているようだった。

 2回戦に駒を進めた那覇西は1月2日、フクダ電子アリーナで行なわれる2回戦で、地元の市立船橋と対戦する。自信を深めたパスワークで再び歓喜を呼び込めるか。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

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