「同級生たちに少しでも勇気を」コロナ禍に揺れた“市船”が4発快勝!先制点に隠された想いとは?【選手権】

2020年12月31日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

波多監督は「コンディション」を優先

この日先制弾を含む2ゴールを決め、チームを勝利に導いた木内。写真:徳原隆元

[高校選手権1回戦]市立船橋4-1佐賀東/12月31日(木)/フクアリ

 第99回全国高校サッカー選手権は12月31日に1回戦が開催。フクダ電子アリーナで行われた1回戦の第2試合は、2年連続23回目の出場となる市立船橋(千葉)と、3年ぶり11回目の出場となった佐賀東が対戦し、4ー1で前者が勝利を収めた。

 コロナ禍の影響を受けた本年度でも、市立船橋にとっては最後に大きな試練が待ち構えていた。

 12月10日に市立船橋高の男子バスケットボール部で新型コロナウイルスのクラスターが発生。翌日にはさらなる感染が確認され、学校は休校措置を取らざるを得なくなった。

 しかし、大会直前での休止にも名門校は動じなかった。

 試合後に取材に応じた波多秀吾監督によれば、チームは23日の練習再開以降はコンディションの回復に努めたという。

「選手みなが落ち込むことなく、限られた時間のなかでもベストの準備ができた」と指揮官が語るように、市立船橋は立ち上がりこそ硬さが見られたものの、前半終了間際の40分に、右サイドから長田京兵(3年)がシュート。これはポストに嫌われるが、こぼれ球に詰めた木内が丁寧にミートして貴重な先制点を奪った。

 さらに後半6分に坪谷至裕(2年)、9分に加藤想音(3年)が続けて得点を奪うと相手の10番・小屋諒征(3年)に強烈なミドルシュートを決められるが、クロスボールに飛び込んだ木内拓海(3年)が4点目となるダメ押し弾を決め、終わってみれば4-1の快勝だった。

 この日2得点の木内は試合後に「バスケ部や剣道部は最後の大会に出場することなく終わってしまった。そんな同級生たちに少しでも勇気を与えられるような試合にしたかった」と初戦にかけた想いを明かし、前日にクラスメートから10数件の応援メッセージが届いたことがさらに力になっていたという。

 昨年度の選手権では2回戦から登場したものの、PK戦の末に初戦敗退。学校一丸となって臨む今年度の選手権で、市立船橋は前年度超えの3回戦への切符を勝ち取れるか。

 1月2日に行なわれる2回戦で、この日勝ち上がった那覇西(沖縄)と激突する。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

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