「長男次男のほうが回復力が早くて…」佐藤寿人が引退会見で決断理由を告白。体力低下を痛感する出来事も

2020年12月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

引退試合となった今季最終戦では逆転勝ち「勝利のためにひたむきに戦ってくれたことには、感謝しかない」

引退会見を行なった佐藤。引退を決断した理由について語った。ⒸJEFUNITED

 ジェフ千葉の佐藤寿人が12月26日、オンラインで引退会見を行なった。

 21年の現役生活にピリオドを打った佐藤は、引退を決断した理由について、「身体は痛いところはどこもないし、サッカーをやろうと思えばやれる状態だが、本当の意味でチームに貢献できているか問えば、必ずしもそうではない。監督が目指しているサッカーにFWとして結果を出せているかと考えた時に、来季プレーすることがどうかと思った」と語った。

 今年のコロナ自粛中、体力の低下を痛感させられる出来事があった。高校2年の長男、中学2年の次男とともに自宅近くの公園でトレーニングを行なったが、「長男、次男のほうが回復力が早くて、自分のほうがセット数を重ねれば重ねるほど、息切れしていく。その時には『ああ、これでパパも今年で引退だな』ってことを息子たちに冗談半分で言ったが、やはり90分フルでここ数年出ていないことを考えると、決めるべき時に来ているのかなと感じた」と、自粛期間中のエピソードを明かした。

 最終的にクラブへ引退の決断を伝えたのは11月のホーム山形戦の2日前。引退試合となったホームでの今季最終戦・北九州戦のロッカールームでは、通例となっている主将の言葉の前に一言、仲間に想いを伝えた。
「やっぱり、昨年の兄(勇人)の引退試合の時に勝てなかったことが悔しかった。そういう思いと、何より自分も含めて3人が引退するということで、最後にみんなで笑ってシーズンを終えたいんだと伝えたんですが、その時初めて試合前ですが、涙が出てきて」

 佐藤の想いを汲んだチームは、先制を許しながらもアラン・ピニェイロ、高橋壱晟のゴールで逆転勝ち。「勝利のためにひたむきに戦ってくれたことには、感謝しかない」とチームメイトへ想いを述べた。

 そして、クラブを支える若手たちには「何より自分がプロサッカー選手としてどうありたいか、ということを常に自問自答しながらやってほしい」というメッセージを残した。21年間にわたる現役生活で、J1歴代2位の161ゴールを決め、広島時代には3度の優勝に貢献もした。偉大な足跡を残した名手が、またひとりスパイクを脱ぐ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事