「タケが望んでいるのは…」久保建英の去就騒動の“真相”をビジャレアル番記者に訊く!「気持ちが萎えてしまう」【現地発】

2020年12月26日 ハビエル・マタ

タケが退団すれば獲得できる選手の可能性が広がってくる

久保の去就は現地スペインでも小さくない話題となっているようだ。(C) Rafa HUERTA

 タケ・クボ(久保建英)の去就問題が風雲急を告げてきた。

 現在クラブ内で1月にオープンする冬の移籍マーケットでその扱いをどうするかが議題として持ち上がっている段階だが、ここでポイントとなるのがタケの意思だ。クラブ側が袂を分かつ決意を固めても、タケが残留を希望すれば、その時点で可能性が消滅してしまうからだ。

 いずれにせよ、タケを取り巻く状況は厳しさを増している。ここ2試合続けて出場機会がゼロに終わり、1歳年下のジェレミ・ピノの活躍は明暗をくっきり分ける形となっている。実際、ウナイ・エメリ監督の頭の中には右サイドがジェラール・モレーノ、サムエル・チュクウェゼ、左サイドがモイ・ゴメスとジェレミ・ピノという序列が出来上がりつつあるようだ。現状のままでは、後半戦に向けて出場機会が低下するのは避けられないだろう。

 タケの1月での退団説を後押しするもう一つの重要な要素が、ピボーテとして活躍を見せていたビセンテ・イボーラの怪我による長期離脱だ。チーム内に代役を務められる選手は見当たらず、1月での補強が急務となっている。

 その際にネックとなるのが「EU圏外選手枠」の扱いで、タケが退団することで1つ空けば、それだけ獲得できる選手の可能性が広がってくる。またタケに支払っているサラリーの負担を軽減することができる点も小さくないプラス要因だ。
 
 ここにきてスペインでの報道も過熱しているが、わたしが得た情報によると、タケ自身はシーズン終了までビジャレアルでプレーすることを強く望んでいるという。それはすなわちエメリ監督の信頼を勝ち取り、再び出場機会を確保すること。その視線の先には当然、定位置奪取も入っているはずだ。

 ただ今後舞い込んでくるオファー次第で、タケの考えが変わる可能性はある。またいくら一心不乱に取り組んでも、このままベンチを温める事態が続けば、気持ちが萎えてしまう部分は当然あるだろう。今はどちらに転んでもまったくおかしくないが、タケのビジャレアルでの挑戦が重大な分岐点を迎えているのは間違いない。

文●ハビエル・マタ(アス紙ビジャレアル番)
翻訳●下村正幸

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