ベストイレブン初受賞の山根視来はなぜブレイクできたのか?「川崎に入って、悩んでいた時期もあった」

2020年12月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

「自分が下手であることは変わらない」

移籍初年度でレギュラーの座を獲得し、31試合に出場した山根。(C)SOCCER DIGEST

 Jリーグは12月22日、2020シーズンの表彰を行なうJリーグアウォーズを開催。今季のベストイレブンが発表された。

 同一チームから史上最多9選手が選ばれた川崎フロンターレでも異彩を放ったのが、今季開幕前に湘南ベルマーレから加入した山根視来だった。瞬く間にチームにフィットすると、31試合に出場し4ゴールをマーク。プレー時間でも守護神のチョン・ソンリョンに次ぐ2,738分を数え、優勝街道をひた走るチームにおいて文字通り大車輪の活躍でチームを支えた。

 そんな山根は、オンライン上での取材に応じ、初のベストイレブン選出に「チームメイトに自分の能力以上のものを引き出してもらっての受賞だと思うので、本当に感謝の気持ちで一杯です」と喜びを語った。

 2016年に湘南でサイドハーフとしてプロデビューを果たした山根だったが、初年度はリーグ戦の出場はなし。チームもJ2降格の憂き目に遭っている。そんななか「試合に出れればなんでも良かったので、抵抗なく変更しました」と最終ラインにコンバートされると、37試合に出場しJ2優勝の原動力となった。
 
 その後、2シーズンを過ごした湘南に別れを告げて川崎に加入するが、そこで待っていたのはテクニカルな選手たちの洗礼だったようだ。

「フロンターレに入って、自分も上手くやらないといけないと悩んでいた時期もあったのですが、そういうプレーを評価してもらってオファーを頂いたわけではないと気付いて、湘南時代からの良さを出せばよいのだと開き直れたことが、この川崎でも強みを出せた要因だったのかなと思います」

 そう語るように、山根自身は持ち前の思い切りの良さを発揮できたことが今季のブレイクに繋がったと見ているようだ。

 新天地でもすぐに結果を出せた山根の本質にあるのは謙虚さだ。「優勝してベストイレブンにも選ばれましたが、自分が下手であることは変わらないので、常に謙虚な気持ちを持って、今年も常に改善と反省を意識しながらやっていたので、来年もそうやっていけたら良いかなと思います」と立ち止まってはいられない。

「やればやるほど奥が深いポジション。まだ右SBとして機能していないので、もっともっと頑張りたい」と今以上の飛躍を誓った。

 ベストイレブンから日本を代表する右SBへ――。山根視来の来季にも注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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