アルテタ政権は風前の灯火!? 元イングランド代表FWが実体験から“その時”を語る「選手が走らなくなれば…」

2020年12月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「選手たちはもう次の監督を待っている」

悲壮感の漂う表情を浮かべることが多くなっているアルテタ。彼が更迭されるときは近いのかもしれない。 (C) Getty Images

 アーセナルの青年監督が苦境に立たされている。ミケル・アルテタだ。

 就任1年目となった昨シーズンにFAカップを制覇の快挙を成し遂げ、チームをさらなる高みへ導くことが期待されたが、今シーズンは開幕から低迷。平均得点(0.91)がリーグ17位と拙攻を繰り返すチームの状況を好転させられず、プレミアリーグでは降格圏まで4ポイント差の15位に沈んでいる。

 苦境にあるチームからは不協和音も聞こえてきている。

 英国メディアでは、チームの面前である選手のミスを非難したアルテタの振る舞いに一部の主力が反発。とりわけ、リーダー格であるダビド・ルイスやグラニト・ジャカとの関係は悪化の一途を辿っているという。

 そんなノースロンドンの雄を厳しく見る識者は多い。元イングランド代表FWのガブリエル・アグボンラホールもその一人だ。

 現役時代には古豪アストン・ビラに在籍し、数多くの監督交代を目にしてきたアグボンラホールは、解説を務める英スポーツ専門ラジオ局『talkSPORT』で自らの経験則からアーセナルとアルテタの現状を次のように分析した。

「アルテタを続投させるのが恥ずかしくなってくるのはいつか。それはおそらく次のチェルシー戦の結果次第だ。仮に負ければ、アーセナルは彼を追い払わないといけない段階にくるかもしれない。この状況で選手たちが少しも戦う気を見せないのであれば、解任が近づいているサインだ。俺の経験上、選手たちがピッチで走ることをしなくなった場合は、"その時"だ」
 
 アルテタの解任が近づいていることを示唆したアグボンラホールは、「個人的に彼が努力を怠っているとは思っていない」としたうえで、こう続けた。

「気の毒に思うね。彼のキャリアはまともだったが、ジダンやグアルディオラとは違う。エジルやオーバメヤン、ダビド・ルイスといった個性派とぶつかれば、あっという間にロッカールームでの求心力は失うよ。

 就任した当初はチームの誰もがアルテタのために走っていたが、今は誰も走っていない。こうなると彼がどれだけチームをやる気にさせようと振る舞っても茶番劇になってしまう。アーセナルの選手たちはもう次の監督が来るのを待っている」

 改革に痛手は付き物だが、アグボンラホールの指摘通り求心力を失ったアルテタが更迭される可能性は高まっているのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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