【C大阪】「世界中で日本だけ」ロティーナ監督が“最後の会見”で称賛したJリーグの魅力と2人の名手

2020年12月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

今季は4位でACL出場権獲得の可能性も残す

「サッカーで重要なのは選手、監督だけではありません」とクラブ発展の必要性も説いたロティーナ監督。写真:滝川敏之

 今季限りでの退任が発表されているセレッソ大阪のロティーナ監督は12月20日、オンライン上で最後の取材に応じ、チームを率いた2年間を総括した。

 スペイン出身、63歳のロティーナ監督は、ラ・リーガの複数のクラブで指揮を執り、エスパニョールを率いてコパ・デル・レイ制覇を、デポルティボ時代にはUEFAインタートトカップ(現在は廃止)を勝ち抜きUEFAカップ(当時)出場に導いた。その後2017年から東京ヴェルディを指揮し、19年からC大阪の監督に就任していた。

 昨年はJ1リーグ5位、今シーズンは4位とタイトル獲得こそならなかったものの、天皇杯の結果次第では来季のACL出場権獲得の可能性も残している。

 自らの仕事について聞かれたロティーナ監督は、「ワクワクした気持ちでセレッソに来ました。ヴェルディでの2年間を経ての就任だったので、日本についても分かっているというアドバンテージはありました」とコメント。「正直に言えば満足している。10チームほどが優勝できる可能性があるJリーグは、とても拮抗したリーグ。優勝チームが上位5チームに入れない。そんなことが世界中で起こるのはJリーグだけで、他国とは違った魅力がある」と振り返った。
 
 この2年間で欠かすことなく行なってきたのは、「情熱、魂をもって仕事に取り組むこと」だった。就任初年度の序盤は苦しむことがあったものの、そういったパッションが次第に伝わったという。

 特に模範となってくれた選手として2人を名指しで称賛した。DFマテイ・ヨニッチは、「2年間、センターバックとして累積警告での出場停止がない」と在任中全てのリーグ戦に出場し続けた点を大きく評価し、「ケガなしでフル出場するのは難しく、ハイパフォーマンスの背景には日々の練習、体のケア、メンタルがある」とそのプロ意識を称えた。

 もう一人のMF清武弘嗣は、「彼はけがの多い選手だったが、この2年間、特に今季の終盤は、1週間に2試合あってもフル出場が多く、日々の取り組む姿勢がよかった」と期待に応えて次第にパフォーマンスを上げてくれた事を喜んだ。

 ロティーナ監督は、期待に応えてくれた選手たちがいる一方で、メンバーをある程度固定して戦ってきていた部分にも触れた。出場機会の少なかった選手たちには「彼らの前で申し訳なかったと話した。チームのための決断だったが、私の間違いもあったと思う」とリーグ最終節となった、鹿島アントラーズ戦後に選手たちの前で謝罪もしたという。

 そして最後に、「良い車を買っても良い整備をしなければいけない。良い選手がいてもその選手に良い教育、トレーニングをしなければいけない。日々良いトレーニングをすること。試合に表れているのは日々の練習の成果だという事を忘れてはいけません」と選手のみならず、クラブ全体へもエールを送った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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