「『お前の人生で償わせる』と…」ネイマールを号泣させた同胞MFに誹謗中傷が殺到。愛妻は“脅迫”を告白

2020年12月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

リヨン監督も誹謗中傷に怒り

目頭を押さえて退場するネイマール。このブラジル代表FWの姿を見た一部のファンはT・メンデスへの“攻撃”を開始した。 (C) Getty Images

 セレソンのエースを負傷退場に追い込んだワンプレーが波紋を広げている。

 事の発端となっているのは、現地時間12月13日に行なわれたリーグ・アンの第14節で、タイトルを争うパリ・サンジェルマンとリヨンの上位対決でのワンシーンだ。

 0-1とパリSGがリードされていた後半アディショナルタイムだ。なんとか同点に追い付こうと果敢にドリブルを仕掛けたネイマールに、リヨンの同胞MFチアゴ・メンデスがタックル。そのプレーはボールに対する意思の感じられるものだったが、ややディレイで滑り込んだことでカニ挟みのような形となり、左足を巻き込まれた10番は足首を負傷してしまったのだ。

 結局、0-1でパリSGは敗れたのだが、試合後は絶対王者の首位陥落よりも、あまりの痛みに地面を叩き、号泣するネイマールに話題が集中。その結果、VAR検証の末に一発退場となったT・メンデスにはSNSを中心に誹謗中傷が寄せられた。

 そしてまたしても"二次被害"が起きている。試合後に「わざとではなかったが、彼に申し訳なく思う。深刻な怪我でないことを祈る」とネイマールに対する謝罪動画を自身のインスタグラムに公開したT・メンデス。しかし、コメント欄には心無いメッセージが集中し、ついには殺害予告も送られたという。

 現地時間12月15日に開かれた会見においてリヨンのリュディ・ガルシア監督は、「チアゴはあまりに多くの死の脅迫を受けている」と怒りを滲ませながら、次のように訴えた。
 
「彼はボールをアタックし、その時に不運な形でネイマールの足を巻き込んでしまっただけだ。それに退場の処分を受けている。だが、恐ろしい数の死の脅迫を受けているんだよ。それは決して存在してはならないものだ」

 さらに「昨今の我々はあまりに簡単に個人を侮辱したり、恐ろしい言葉を放つことを許してしまっている」と語ったガルシア監督に同調する意見を発しているのは、T・メンデスの妻であるケリーさんだ。

 間近で苦しむ夫を見ているケリーさんは、フランス・メディア『C News』で、「私たちのところには山のように見るに堪えない言葉が飛んできている」と語ったうえで、こう続けた。

「私の元に届いたなかで最悪だったのは、『お前のボーイフレンドのやったことでネイマールに何かがあったらただじゃおかない。お前たちの人生で償わせる。お前たちとその家族と、順番にだ』っていうやつよ。これを聞いて何を思う?」

 昨今、SNSなどでのファンからの誹謗中傷は、数多くの選手を苦しめるようになっているが、こうした問題が解決される日は訪れるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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