「勝ちたかった」元オランダ代表ファン・ペルシがアーセナルからの“禁断移籍”を回想「ここに競争力はない…」

2020年12月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

「こんな数字はどうでもいい!」アーセナル会長にぶつけた怒り

アーセナルの“宿敵”へ移籍したファン・ペルシがその真相を明かした。 (C) Getty Images

 選手にとってタイトルへの欲望は抑えようのないものだ。それと縁遠いキャリアを歩んでいれば、なおさら手にしてみたくなるのは必然だろう。それはたとえ愛着のあるクラブを裏切ることになっても、だ。

 サッカー史において長年親しんできたクラブからタイトル奪取のためにライバルクラブへ渡った選手は枚挙に暇がない。元オランダ代表FWのロビン・ファン・ペルシもそんな苦渋の決断を下した一人だ。

 2004年から約8シーズンに渡ってアーセナルでプレーしていたファン・ペルシは、12年の夏にマンチェスター・ユナイテッドへ電撃移籍を決めた。彼がこの移籍を決断した背景にあったのが、他でもないタイトル獲得への渇望だった。

 ガナーズで132ゴールを叩き出していた元エースは、現地時間12月10日に公開されたオランダ人YouTuberカイ・ゴーヘルス氏のインタビューで、ユナイテッドへ移籍した当時の舞台裏を赤裸々に明かしている。

「あの時のアーセナルには競争力がないように感じたんだ。それである日、僕が退団を考えていることを知った会長が、クラブの健全さを記したあらゆるデータを見せてきたんだ。膨大な書類と一緒にね。そこで僕はハッキリと言ったんだ。『こんな数字なんてどうでもいいんだよ! 僕はプレミアリーグのトロフィーが掲げたいんだ』ってね」
 
 その後、個人合意に達したユベントス行きがクラブ間合意に至らなかったために破談となり、「もう選択肢はマンチェスター・ユナイテッドかマンチェスター・シティしかなった」というファン・ペルシは、前者を選んだ理由を次のように明かしている。

「僕がユナイテッドへ行ったことがデリケートなトピックなのは分かってる。アーセナルからあのクラブに行くことはイギリスでは禁断だったからね。でも、僕は勝ちたかった。本当にただ勝ちたかっただけだ。だから、あれだけのリスクを冒す必要があったんだ」

 ただ、勝利を追い求めて、禁断の移籍に踏み切ったファン・ペルシは、最初のシーズンで、プレミアリーグ制覇とリーグ得点王を獲得。周囲に自身の決断が間違っていなかったことを証明してみせたのである。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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