【神戸】気になるイニエスタの状態…指揮官がメンバー入りと終盤での起用意図を語る

2020年12月11日 サッカーダイジェスト編集部

キックのあとに右太ももを抑え、苦悶の表情を見せていた

延長後半に途中出場したイニエスタだが、怪我をおしてのプレーに。PKのあとには右太ももの痛みに苦悶の表情を浮かべるシーンも。(C)Getty Images

 ヴィッセル神戸は12月10日、ACLの準々決勝で水原三星と対戦。PK戦の末、見事に勝利を掴み、準決勝へと駒を進めた。

 まさに、死闘だった。三浦淳寛監督は振り返る。

「まずは審判団と水原の監督、コーチングスタッフ、他のスタッフ、そして選手の皆さんに感謝の気持ちを伝えたいと思います。水原はひとり少ないなかでも粘り強い守備を見せ、我々としては得点を狙い、決着をつけるためにとにかく全力で戦った試合になりました。両チームにとって非常にいいゲームになったと思います」

 7分に右サイドのクロスから失点を喫し、早々と1点のビハインドを負った神戸は、しかし次第にペースを握っていく。すると34分、ドウグラスのパスに抜け出した西大伍がペナルティエリア手前で倒され、FKを獲得する。

 初め主審はイエローカードを提示しPKスポットを指すが、VARのオンフィールドレビューによる、相手DFへのレッドカードとペナルティエリア外からのFKに変更された。

 このFKを冷静に古橋亨梧が壁の下を通す鋭いシュートでゴールを打ち抜き、試合を振り出しに戻してみせる。

 しかしひとり多い状況となったにもかかわらず、チャンスを作りながらもなかなか追加点を奪うことができない。結局1-1のまま延長戦に突入する。
 
 延長戦では初瀬亮のクロスから古橋のヘディングや、ドウグラスの決定機を得たが、攻め切れず。113分には怪我で温存していたアンドレス・イニエスタを投入し、打開を試みた。

 それでも最後までネットを揺らせず、PK戦に突入。PK戦では両チームとも6人目まで成功。水原三星の7人目のキッカーがクロスバーの上に外すと、神戸の藤本憲明がきっちりとゴール右隅にシュートを決め、勝利を収めた。

 懸念はイニエスタの状態だ。1人目のPKキッカーを担ったイニエスタは、きっちりとゴールに決めてみせたものの、キックのあとに右太ももを抑え、苦悶の表情を見せていた。おそらくはラウンド16で負った怪我が完治していないのだろう。

 大事を取って、この一戦は休ませる選択肢もあったが、三浦監督は、この絶対軸をベンチメンバーに入れ、終盤に起用した意図を以下のように語る。

「アンドレスはキャプテンであり、誰からもリスペクトされる存在です。彼の存在自体によって、クラブとして前向きになれるし、ポジティブになれます。彼がいることによって、相手のチームはやはり守勢に回る形が増えたと思います。

 確かにプレーに関与する回数はすごく少なかったと思いますけど、間違いなく彼がベンチにいる、そしてピッチに出た瞬間は(相手は)守勢になったと思います。

 そしてPKで1番初めに我々のキャプテンが決めるということは間違いなく勝利につながったと思っています。アンドレスがいないなかでも、他の選手は、当然ながらキャプテンの存在を意識していますし、アンドレスがベンチにいることで、他の選手たちも自信を持ってプレーできたのではないかなと思っています」

 もちろんピッチにいるだけで存在感は別格で、少なからず相手にとって脅威になったはずだ。ただし、やはり次戦に出場できるのかは、誰もが気になるところ。死闘を制したものの、代償は小さくない。イニエスタは神戸にとって欠かせない存在だけに、その状態が心配される。

構成●サッカーダイジェスト編集部

【動画】怪我の状態は大丈夫? イニエスタが準決勝進出の喜びを笑顔で語る
 

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