守護神離脱の窮地を救ったリバプールの“代役GK”。クロップが「ずば抜けている」と称える男の意外な過去とは?

2020年12月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「あらゆる局面で彼がもたらしてくれた貢献は大きい」

ケヘラーが披露した周囲を統率する姿は、プレミアデビュー戦のそれではなかった。 (C) Getty Images

 若きアイリッシュがレッズで躍動している。

 現地時間12月6日に開催されたプレミアリーグ第11節、ウォルバーハンプトンと対戦したリバプールは4-0で勝利。プレミアリーグにおける本拠地アンフィールドでの無敗記録を「65」に伸ばした。

 この3ポイント獲得に小さくない貢献をしたのが、負傷離脱中の守護神アリソンの代役としてGKに抜擢されているケビン・ケレハーだ。

 今月1日に行なわれ、1-0と勝利したチャンピオンズ・リーグのアヤックス戦(グループステージ第5節)に続く出場を果たした22歳のアイルランド人GKは、この試合でも好セーブを披露。17分にウルブスの10番、ダニエウ・ポデンセの意表を突いたループシュートを素早い反応でストップするなど、相手の放った枠内シュート3本全てを冷静に対応した。

 ベテランのような落ち着いたプレーぶりでクリーンシートを達成したケレハーは、これがプレミアデビュー戦だった。ちなみに国内トップリーグにおける完封デビューは、1913年1月にエリシャ・スコットが19歳と130日で記録して以来、クラブ史上2番目の若さだった。

 ケレハーは15歳まで地元のサッカークラブ、ラウマホン・レンジャーズのユースでFWを務めていた経歴の持ち主でもある。転向したキッカケは、GKが足りなかったチームの事情から"代役"として駆り出されたためだった。
 

 しかし、そこからわずか3年足らずでリバプールに引き抜かれたポテンシャルは、やはり半端ではない。実際、FWで培った足下の技術にも長ける彼のビルドアップ能力は、チームに落ち着きをもたらす場面が多い。

 そんな伸び盛りのアイルランド人GKをユルゲン・クロップ監督も手放しで賛辞を送っている。

「今日はチーム全体が良い働きをしてくれたが、何よりもケビンのパフォーマンスは必要不可欠だった。本当にずば抜けた才能を持っているし、優れたショットストッパーだ。そして私は何より彼を素晴らしいフットボーラーだと思っている。あらゆる局面で彼がもたらしてくれた貢献は大きいよ」

 さらに指揮官から「彼の存在は大きい」とも褒められたケレハー。この22歳が、世界最高峰の実力者であるアリソンからすぐに正守護神の座を奪うのは想像しがたいが、将来的にアンフィールドの"最後の砦"として君臨する可能性は小さくないと言えるだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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