敗北は当然だった!? 勝率2割強の「カンプ・ノウでのクラシコ」

2015年03月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

もし番狂わせが起これば、それは監督の去就問題にも直結した。

R・マドリーが最後にカンプ・ノウでバルセロナに勝ったのは2012-13シーズンの国王杯準決勝。ちなみにバルセロナのサンチャゴ・ベルナベウにおける直近の勝利は、昨シーズンのリーガ第29節である。 (C) Getty Images

 22日にカンプ・ノウで行なわれた伝統の一戦、クラシコでは首位バルセロナが2位のレアル・マドリーを2-1で下し、勝点差を4に広げた。
 
 R・マドリーは勝てば首位奪取であり、このところの悪い流れを払拭するためにも、アウェーマッチという厳しい環境ながら果敢に勝点3を狙ってきたが、ルイス・スアレスの決勝点に沈んだ。
 
 先制を許すもいったんはクリスチアーノ・ロナウドのゴールで追いつき、他にもチャンスを創出するなど内容面で改善が見られたことで、宿敵相手の敗戦とはいえポジティブなコメントを残す選手も少なくなかった。
 
 さて過去を振り返ると、これまでバルセロナとR・マドリーは公式戦では201試合を行ない、R・マドリーが85勝39分け77敗と勝ち越している。リーガのみの成績に絞ると、71勝32分け67敗。勝率は全試合通算だと.422、リーガのみでは.418である。
 
 しかし、これがアウェーマッチのみとなると、全試合での通算成績は23勝20分け54敗、リーガのみでは19勝17分け49敗となり、勝率は前者が.237、後者が.224と大きく下がってしまう。
 
 バルセロナがサンチャゴ・ベルナベウのピッチに立った際の成績も同じようなものであるが(R・マドリーのアウェー成績よりやや劣る)、ここ10年間でバルセロナは7度もサンチャゴ・ベルナベウで勝利しており、敵地でのクラシコの厳しさをより感じているのはR・マドリーだろう。
 
 下に、これまでR・マドリーがアウェーでバルセロナを破った試合を記したが、直近の勝利は2年前の国王杯。C・ロナウドの2ゴール等で宿敵を下し、決勝へのチケットを手にした。リーガでは3年前が最後の勝利であり、この時もC・ロナウドが決勝ゴールを挙げている。
 
 リーガでは1シーズンに2度しか対戦はなく、両チームにとってホームゲームは1回きり。当然、必勝を期して臨むわけで、"番狂わせ"はそう滅多に起こらないはずだ、逆にこれが起きた場合には大きな騒ぎとなり、監督の去就問題にまで発展してしまう。
 
 実際、R・マドリーのジュリオ・バチスタが決勝点を決めた2007-08シーズンは、バルセロナにとってフランク・ライカールト体制の最終年となった(ちなみにその前の敗北となった2003-04シーズンはライカールト体制1年目だったが……)。ちなみにR・マドリーも7敗を喫したこの10年間で8人の監督を迎えている。
 
 2003-04シーズンの前となると、1983年までさかのぼらなければならない。R・マドリーのレジェンドで元スペイン代表監督のホセ・アントニオ・カマーチョや、現韓国代表監督のウリ・シュティーリケがプレーしていた頃のことだ。
 
 アウェーチームは勝点1でも奪えば上出来というのが、90年あまりのクラシコの歴史におけるR・マドリー側の常識だが、62-63シーズンからは3シーズン連続してカンプ・ノウで勝利を飾るという"偉業"を成し遂げている。
 
 当時は60年からリーガ5連覇を果たしている時期で、いかにR・マドリーが強かったかということだろう。ちなみに85年からも5連覇を果たしているが、この時のクラシコでは番狂わせは一度も起こっていない。
 
 チャンピオンズ・リーグ(カップ)では2度、R・マドリーはアウェーマッチで勝利を挙げ、そのいずれでも優勝を飾っている。敵意を剥き出しにしたカンプ・ノウの観客のプレッシャーとそれに後押しされた宿敵に打ち勝つ力があればタイトル獲得は難しいことではない、というのは言い過ぎだろうか。
 
 今シーズン、リーガでの番狂わせは起きなかったクラシコ。この対決が見られる可能性があるのは、チャンピオンズ・リーグの準決勝だけである。
 
◎R・マドリーが敵地でクラシコに勝利した試合
◇リーガ
2011-12 35節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
2007-08 17節 バルセロナ 0-1 R・マドリー
2003-04 15節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
1983-84 8節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
1979-80 20節 バルセロナ 0-2 R・マドリー
1977-78 12節 バルセロナ 2-3 R・マドリー
1970-71 22節 バルセロナ 0-1 R・マドリー
1964-65 24節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
1963-64 27節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
1962-63 18節 バルセロナ 1-5 R・マドリー
1960-61 12節 バルセロナ 3-5 R・マドリー
1957-58 20節 バルセロナ 0-2 R・マドリー
1949-50 16節 バルセロナ 2-3 R・マドリー
1943-44 26節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
1941-42 17節 バルセロナ 0-2 R・マドリー
1935-36 7節 バルセロナ 0-3 R・マドリー
1933-34 4節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
1929-30 9節 バルセロナ 1-4 R・マドリー
1928-29 2節 バルセロナ 1-2 R・マドリー
◇国王杯
2012-13 準決勝 バルセロナ 1-3 R・マドリー
◇スーパーカップ
1990 バルセロナ 0-1 R・マドリー
◇チャンピオンズ・リーグ
2001-02 準決勝 バルセロナ 0-2 R・マドリー
1959-60 準決勝 バルセロナ 1-3 R・マドリー
※チャンピオンズ・カップ時代も含む
 
※1956-57シーズンまでバルセロナの本拠地は「ラス・コルツ」で、それ以降は現在の「カンプ・ノウ」。
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