アーセナルの「最強ストライカー番付」。現エースのオーバメヤンも上位にランクイン!

2020年11月20日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ベルカンプはチャンスメーカーとしても一流。

アンリ(左上)、I・ライト(右上)、ベルカンプ(左下)、オーバメヤン(右下)がアーセナルの歴代最強ストライカーTOP4だ。写真:Getty Images

【番記者選定のアーセナル最強ストライカー番付TOP10(1990年以降)】
1位:ティエリ・アンリ(元フランス代表)
2位:イアン・ライト(元イングランド代表)
3位:デニス・ベルカンプ(元オランダ代表)
4位:ピエール=エメリク・オーバメヤン(ガボン代表)
5位:ロビン・ファン・ペルシ(元オランダ代表)
6位:アレクシス・サンチェス(チリ代表)
7位:アラン・スミス(元イングランド代表)
8位:エマニュエル・アデバヨール(トーゴ代表)
9位:ヌワンコ・カヌー(元ナイジェリア代表)
10位:シルバン・ヴィルトール(元フランス代表)

 プレミアリーグ史上最高の選手といっても過言ではないアンリが1位だ。最盛期は、それこそ誰も止めることができなかった。圧巻のスピードと、どのような展開からもゴールに繋げられる卓越したフィニッシュワークで、対峙するDFを震え上がらせた。

 そのアンリに破られるまで、アーセナルの最多得点記録を保持していたのがI・ライトだ。プレミアが創設される直前の91-92シーズンにリーグ得点王に輝き、翌92-93シーズンからの5年間は公式戦30ゴール超えを4度も実現した真のゴールゲッターである。

 チャンスメーカーとしても一流だったベルカンプは、とにかくエレガントだった。広い視野と抜群のパスセンスでチームメイトの特長を巧みに引き出しつつ、華麗なゴールを何度も決めて旧本拠地のハイベリーを沸かせた。

 在籍期間こそまだ短いものの、現キャプテンのオーバメヤンは4位に値するストライカーだ。18年1月の加入以降、アンリやI・ライトを上回るペースでネットを揺らし続けている。事実、プレミアで達成した79試合での50ゴール到達はクラブ最速。昨シーズンはFAカップ決勝で2得点を挙げ、チームに3年ぶりのタイトルをもたらした。

 ゴールゲッターとしての能力や貢献度では、そのオーバメヤンと遜色がなかったのがファン・ペルシ。ラストイヤーとなった11-12シーズンは、公式戦48試合で37ゴールという見事な数字を叩き出している。ただ、タイトルをもたらせなかったという点で、ガボン代表FWより下に位置付けた。
〝ヴェンゲル・ガンナーズ〞の晩年を支えたA・サンチェスも、記憶に残るエースのひとり。つねに全身全霊を注いだ彼のエネルギー、スピード、そしてゴールがなければ、14-15と16-17シーズンのFAカップ優勝はなかったはずだ。

 7位は90-91シーズンの得点王に輝くとともに、リーグ制覇にも大きく貢献したスミス。1メートル91センチの長身FWはつねにハードワークを厭わず、インテリジェントなムーブメントから得点を重ねた。

 グーナーとは良好な関係を築けなかったアデバヨールも、ストライカーとしての能力は高く評価できる。技巧とフィジカルを兼ね備え、好調時は文字通り手が付けられなかった。事実、07-08シーズンは30得点の大台にも乗せている。

 悩んだのは9位と10位。複数の候補のなかから、最終的に2人に絞った。シルクのような柔軟なタッチ、クレバーな動き、そして類稀な創造性を発揮してファンから愛されたカヌーと、貴重なゴールで00年代前半の黄金時代を支えたヴィルトールだ。

 惜しくも選外となったのがジルー(現チェルシー)。確度の高いポストワークは安定感が抜群で、前線の基準点としては申し分がなかった一方、物足りなかったのがフィニッシャーとしての仕事ぶりだ。同様に、決め手に欠けたのがウォルコット。特大のポテンシャルを全面開花できていれば、トップ5入りが狙えたと思っている。

文●サム・ディーン(デイリー・テレグラフ紙)
翻訳●松澤浩三
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年11月5日号から転載

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