「非常にダイナミックなチーム」バルセロナを率いた名将、メキシコ代表のマルティーノ監督が分析する森保ジャパン

2020年11月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

パラグアイを率いた2010年のワールドカップでは日本の前に立ちはだかった

「少しでもリスクがあるのであれば、その選手は起用しません」と言い切ったマルティーノ監督。※写真は会見中のスクリーンショット

 日本代表は日本時間の11月18日の早朝に遠征先のオーストリア・グラーツでメキシコ代表と国際親善試合を戦う。オンライン上で行なわれた試合前日会見では、メキシコ代表のヘラルド・マルティーノ監督が森保ジャパンの印象を語った。

 かつてバルセロナを率いた経験を持つアルゼンチン人監督は、「日本代表は非常にダイナミックなチーム。個人のテクニックにも優れていますし、選手たちが前に出る時は非常に規律だったプレーをするという印象を持っています。また、前線には均衡を崩すことができる優秀な選手たちが揃っています」と称賛する。

 一部報道では韓国戦にも出場しなかったスペインのアトレティコ・マドリーに所属するエクトル・エレーラとアメリカMLSのロサンゼルス・ギャラクシーに所属するジョナタン・ドス・サントスが負傷のため、日本戦でもメンバー外となる可能性が指摘されていた。

 その点を聞かれた指揮官は、「(日本戦のメンバーは)二つのコンセプトに基づいて選びたい。一つ目はフィジカル面で100%の選手だけを選ぶということ。二つ目はリスクを決して犯さないということだ。明日の試合は、親善試合。重要な位置づけではありますが、私たちが望んでいるのは、もちろん選手たちに良い試合をしてもらいたいということですが、しかし良い状態でクラブチームに戻ってもらいたい。それも非常に大事なことだと思っています」と起用には慎重な姿勢を見せた。
 
 日本代表の森保一監督も「ボールを大事にするスタイルや選手たちの献身性など目指すべきものが重なる相手」と評するメキシコはワールドカップでも日本よりもコンスタントに好成績を残している。

 メキシコの強さの秘訣を聞かれた名将は「フィジカル面の部分はマイナスと捉えがちですが、それを逆にチームの強みに変えていくという事が大事だと思います。それは日本代表にも、メキシコ代表にも言える事だと思います。ですから、代表を率いる私たちとしては、そうした選手たちの特長を生かすようなプレースタイルを構築することがとても重要だと思っています」と自身のサッカー哲学を語った。

 2010年の南アフリカ・ワールドカップでパラグアイ代表を率いてベスト16で立ちはだかったマルティーノ監督は、その後スペインのバルセロナ、アルゼンチン代表を率いて2019年からメキシコ代表監督を務める。

「明日の試合でこれまでの方向性を保って、どう戦うのかという戦術とは別に、これまでやってきたことを明日の試合でも継続したいと思っています。2年前から始めた戦い方を続けていきたい」と日本戦への意気込みを語った。

 奇しくも同じ"継続"をテーマに掲げた日本とメキシコ。日本時間の18日に行なわれる試合ではどんな戦いを見せてくれるのか注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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