絶妙スルーパスに切れ味鋭いドリブル…妙技を見せつけた久保が“代表10試合目”で感じた手応え「今日はどんどん積極的にいけて良かった」

2020年11月14日 サッカーダイジェスト編集部

「今日みたいなパスが3本出せれば、オールオーケー」

PKにつながる絶妙スルーパスを披露。久保は決定的な仕事を果たした。写真:龍フェルケル

[国際親善試合]日本1-0パナマ/11月13日/オーストリア・グラーツ

 日本代表は11月13日、オーストリアのグラーツでパナマ代表と対戦。1-0で勝利を収めた。

 南野拓実の勝ち越しPK弾を演出したのは、19歳の久保建英だった。3-4-2-1システムのシャドーで先発出場した久保は59分、ボランチの遠藤航からパスを受けると、すかさず相手ディフェンスラインの裏にスルーパスを供給。このパスに抜け出していた南野が相手GKに倒されPKを獲得したのだ。

 決定機を創出したシーンを久保は振り返る。

「相手もしっかりプレスに来ていましたけど、ちょっと相手の判断の緩みがあった。そこで遠藤選手から、自分がずっと受けたかった位置に素晴らしいボールが来て、前を向いた時に南野選手の動き出しが見えたので、あとはそこに流し込むだけだった」

 前日のオンライン取材では「今は最後の質に気を付けている」と話していたが、まさにその意識がプレーに表われたと言える。

 また前半37分には左サイドからカットインし、フワリと浮かしたスルーパスを披露し、66分には左サイドでボールを持つと、相手DFふたりの間から鋭く切り込み、相手のファウルを誘発。急激な緩急で相手を手玉に取ったドリブルで相手を混乱させた。

 守備に追われてなかなか持ち前の攻撃センスを発揮できなかった10月シリーズとは打って変わり、パナマ戦は積極的な姿勢が随所に見られた。

「試合と言うのは、練習でやってきたことをチャレンジとして出していく場だと思うので、そういった意味で今日はどんどん積極的にいけて良かったと思います」

 久保自身もそう手応えを振り返っている。
 
 このパナマ戦で国際Aマッチキャップ10試合目。代表選手としての貫禄も徐々に生まれてきた。

「常に100パーセントで今できることをやっているつもりではありますけど、だんだん味方の選手の特徴が分かってきて、連係も深めながら、チームのコンセプトも分かってきた。まだまだ足りないことだらけですけど、しっかり自信というか、代表の一員という意識は出ているのかなと思います」

 自信を深める久保にとって、次に期待されるのはやはりゴールだろう。もっとも久保自身は、ゴールに執着しているわけではない。

「全然今日みたいなパスが3本出せれば、それが3点になれば、自分としてはそれでオールオーケーだと思っています。逆にああいうパスを出すことで、みんなも自分の特長を分かってくる。逆に相手に警戒された時には、自分で運んでいって、というふうに、どんどんパターンを増やせる。ああいった精度の高いパスを出せるようになれば、もっと選手としてまたレベルが上がると思います。それがゴールだったり他のことにもつながってくると思う。自分も出せるけど、自分も欲しいよと、どんどんアピールしていければいいなと思います」

 自分がより高みに向かうためにも、チームを勝利に導くためにも、より多くの決定的な仕事が求められる。

構成●サッカーダイジェスト編集部
 

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